【n.p.l】この想いを声に【l.n.t.n】 (ページ36)

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36.驚愕した時ページ36

「素直に謝ればええのに、言った後悔ばっか考えとるから“手遅れ”なんやない？そこでごめんって言っときゃ良かったなんて要らん後悔増やしたらあかんねん」

驚いたし、納得した。過去に手遅れだと諦めていたものは、不要な後悔を増やしていただけなんだと。言われて気付いた今の俺は、更に後悔を増やす羽目になっている訳だ。

「…流石謝罪のプロは違うな」

「マジでなんやねん人が真面目に答えてんのに」

重くなりつつある空気を少し解して、少し笑いながら謝る。とりあえず気になっていたものはスッキリしたと素直に感謝すると、わかりやすく照れ始めた。

「確かに言ってええ事と悪い事はあるし俺も迷うけど、間違ったらいつでも謝った方がええねん。」

簡単に話をまとめて終わらせたすぎるに、“そろそろ終わるか”と言って挨拶をして通話を終了した。

ただ話しただけとはいえ、すぎるの相談の受け方は“自分で考えさせて気持ちを整理させる”もので、もやもやとした自分でもよく分からない考えをハッキリとさせてくれた。
それでいてアドバイスもしっかりしていて、自分の思っていたものと違っても、なるほどその考え方もあるかと納得させられる。
この評価を素直にすぎるに伝えたらさっきの比じゃないくらい照れ始めるだろう。絶対に言ってやらないけど。
Aが出会ったのが俺ではなくすぎるだったら、なんて。そう考えて妙にイラッとしてしまった。

「すぐ謝る…ね。謝り過ぎるのは悪いイメージになるだろうけど、その方が良いな」

とりあえずすぎるの言葉は覚えておいて、今度Aに会った時に言ってみようかな…なんて、自分の手柄にする気満々だった。