34.相談した時 ページ34
しばらく二人でゲームをしていて、相談の事はすっかり頭から抜けていた。
元々すぎるなんかに相談するのは不本意だったし、仮に思い出しても今更相談なんてしなくていいか、と思っていたのだろうけれど。
俺とすぎるは、ゲームをやめた後も少し二人で通話をしていた。
「そういや、蘭たんさっき既読早かったやんか」
この一言で思い出した。少しの間相談しようかしないか悩んで、やっぱいいやと諦めてすぎるの話に相槌を打つ。
「もしかしてなんか話すことあった？」
全くこいつは、変なところで鋭い。大袈裟に舌打ちをすると“なんやねん…”とぼそぼそ尻込みし始めた。
「なんで」
「いや、普通にメッセージ送った後一瞬で既読ついたから、LINE開いてたんかなって」
「…スマホいじってたら通知来たから」
素直に認めたくないので嘘を返すと、“ふぅん…”とそのまま納得して終わってしまった。
ずっともやもやしっぱなしな状態が流石に嫌になってきて、もう言ってしまおうかと思って口を開く。
「………あの、さ。ちょっと、相談…したいんだけど」
珍しそうにリアクションするすぎるにイラつきつつ、掻い摘んで話をする。
悩み相談を受けることが増えたこと。
それは人付き合いの相談で、たまに回答に詰まること。
すぎるは結構相談を受けるらしいから、その時はどう回答しているのか聞きたくなった、と理由を述べて説明は終わった。
「成程なぁ〜。蘭たん、毎回違うこと言おうとせんでもええねんで」
「それは分かってる。…ただなんか、前より相談を受けづらくなってきたっていうか…」
「それはなんでなん？」
なんでだろう。自分でもよく分からなくなってきた。その様子に気付いたすぎるに“考えてみ？”と促されて、暫く考えてみる。
「………なんか。相談を受けることで頼りにされてて。“支えてあげてくださいね”っていうのが…」
「プレッシャーなんやな」
「…うん」
肯定することで気持ちが定まってきた。あの日電話越しに言われた言葉が、今でもプレッシャーとして残っていたんだ。頼りになるような事を言わなければ、と。
「蘭たんがそんな気にするなんて余程やな〜。別に蘭たんに全てを解決して欲しくて言ったんじゃないんやないの？知らんけど。いつも通りでええやん」
なんとなく、すぎるの言っていることは納得できた。
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amuse08102582(プロフ) - いつも見てます！二冊目も更新頑張ってください！ (2019年12月1日 14時) (
レス) id: 2393a62cd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮がつく | 作成日時：2017年6月9日 1時
