【n.p.l】この想いを声に【l.n.t.n】 (ページ28)

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28.謝られた時ページ28

先生が、私が話した通りのいきさつを一通り話し終える。そして、“これは本当か？”と男子に確認する。

「水をかけたっていうか…まあ…わざとではないんですけど」

男子が言い訳がましくぼそぼそと呟く。とりあえず水をかけてしまったことは認め、先生がため息をついた。

「わざとではないにしても、それで謝らないのは失礼じゃないか？四宮の制服、結構見てて分かるくらいに濡れてたぞ？」

男子がはい、と小さく返事をする。そこからまた先生が説教をする。
謝りなさい、と先生が言うと、男子は私に向き直り、頭を下げた。

「…ごめんなさい」

正直、なんて言ったら良いかわからない。こんなことになるなんて思ってなかったし、本当に謝られたらそれはそれで何だかこっちが悪い気分。
水をかけられてすぐの時は怒りで謝ってほしいという気分でいっぱいだったけど、大分乾いた今となっては、わざとではないのは確かだし、とどうでもよくなっている。

「えっと…いいよ。大丈夫。」

これで良かったのかな、と心配していると、先生が安心したように話し出す。”悪ふざけしすぎないようにな”ともう一度注意して、先生は去って行った。
男子も静かに教室から出て行き、私一人が残った状態になった。

「んー…まあ、いっか。良かったのかな」

本人も反省しているだろうし、これに懲りて少しは大人しくなるでしょ。と楽観していた。