好きな子には、いじわるを。【白布賢二郎】

いじわる１８ ページ18

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「...っばかぁ.....！」





Aと俺の間にあった僅かな距離がゼロとなり、Aが俺に抱きついたことを理解する。





「A...？」



「なに、ひとりだけ好きって言ってんの...！私も好きだよばかっ」






ばか、とは言いつつも俺を見上げてへにゃりと安心したように笑うA。






「すき、.....しらぶ、すきだよ。だいすき」





どうやら、次に顔を紅くするのは俺みたいだ。

すき、をAが連呼する。それだけで、顔が熱を帯びていくのがわかる。






「A...そろそろやめて.....？」






俺がやめるように促すが、その努力も無意味なようで。







「やだね。今までの私のドキドキの仕返し」






べっ、といたずらっぽく舌を少し出してニヤリと笑うA。


俺にドキドキさせられるAも、俺をドキドキさせるAも








「好きだ、ばーか」







俺は無意味な抵抗だとわかっているが、照れ隠しするため、Aを強く抱き締めた。

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