第四十三話 ページ2
皆さんこんにちは。私は今、敦くんと共に白鯨の中です。
乱歩さんへのお菓子等を買い終え社に戻ると太宰さんと乱歩さんが作戦立案していて、その作戦に私と敦くんが白鯨に乗るという事らしかったのです。乱歩さんの云う事なので従いますが私がいる意味は正直判りません。
私や敦くんは速さがあり、戦闘員。其れに加え万が一失敗しても敦くんなら殺されない可能性が高いし私は死なない。敦くんが土地勘もあるので適任だとは判る。でも、この様な活動をする際、単独の方がやり易い事なんて判ってるだろうに…。
二手に分かれ中の様子を探っていたら先程分かれた敦くんが血相を変え走って来た。
『如何したの?何かあった?』
「白鯨が横浜に落下します‼作戦に変更はありません‼僕が止めます‼」
『了解!止め方は?』
「制御端末を使うしか方法はありません。場所は知っていますこっちです!」
余程必死なのか私の手を引っ張り走り出す敦くん。
『‼敦くん止まって‼』
「⁉如何したんで……芥川‼」
「人虎…!」
『最悪だ…』
止める間も無く二人は認識した途端に突っ込んで行き戦闘になる。この感じ…双黒にそっくり。
あの二人は始めは口から入るし、攻撃も中也さんが一方的にしてるだけだからまだマシかもしれない。太宰さん…此れを見越して私を白鯨に乗せたな。
『敦くん。がれちゃんに係っている暇はないよ。太宰さんが作戦に変更はないって云ったんでしょ?』
「ですが…」
『それ、太宰さんと繋がってる?』
「え?はい…」
『なら大丈夫云う通りにして』
耳打ちで作戦を話す。がれちゃんには申し訳ないけど、横浜に白鯨を落下させる訳にはいかないから。
「芥川 今これは太宰さんと繋がってる。話があるそうだ」
「!」
がれちゃんが食いついた所で無線機を投げる。
「太宰さん‼」
迷う事なく無線機を追い飛び降りるがれちゃん。
『さ、先に進もう』
「えぇ…」
今頃太宰さんは無線を切ってるんだろうな…。
《Aちゃん》
『‼…敦くん、先に行ってて』
「判りました」
動作で無線が来た事を伝えれば理解し、そのまま一人で先を走る敦くん。
『太宰さん、どうかしました?』
《今から君は何もしなくていい》
『はい?』
《今回は初回だからね…「鎖」は必要ない。初めの衝突だけ如何にかしてもらいたかったのだよ》
『鎖って…なら、ちゃんと龍に思った事伝えてあげてくださいよ』
新しい双黒の誕生だ。
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作成日時:2020年1月4日 10時