第四十二話 ページ49
『そんな…そんな事って…』
「事実だよ」
『うわぁぁん‼そんな格好良い乱歩さんを見逃すなんて‼』
私が中也さんの家にいる間、乱歩さんと与謝野先生の二人で組合の異能者の元へ行き乱歩さんによる華麗なる推理が行われていた模様です。
相手の異能者は読者を小説の中に引きずり込む能力らしく異能力の使えないなか推理小説の中へ行き乱歩さんが犯人の小説を楽しんだと‼
「別に楽しんではないよ」
『…其れにしても、乱歩さん。自分が異能者でないと認めたんですか?』
「いいや。勝負の終わった後の乱歩さんは可愛らしかったよだって_」
***
「帰ったら記念日の祝宴だねェ」
「何の?」
「名探偵が真実を知った日さ 乱歩さんは異能者じゃなく段階的に観察と推理を…」
「僕は異能者だ!」
「…へ?けど先刻は推理根拠を詳らかに説明してたじゃないか」
「僕は異能者!推理なんてしない!今回は偶々だ!だって…」
「だって?」
「今更一般人なんて格好がつかない!Aが何時も褒めてくれるのに!」
***
「だってさ。アンタが褒めてんのはいつも推理なのにねェ」
『乱歩さん…何と可愛いらしい…』
此れは乱歩さん本人に伺いに行けば拗ねてしまうので聞きに行けない…。
何ともどかしい…。
今日のお菓子は洋菓子にしましょう。大きなケエキを買って乱歩さんに送ろう。
何時も
「戻っておいで」
『あ、済みません』
「全く…アンタが居なかったから乱歩さん拗ねてたんだよ?後でお詫びでも入れておきな」
『乱歩さんが…?判りました』
乱歩さんが拗ねて…此れはケエキだけでは足りない‼駄菓子の詰め合わせと飲み物も買わなければ…最近はスナック菓子がお気に入りだったな…
『買い物へ行ってきます‼』
「はいよ」
鼻歌まじりで買い物へ。乱歩さんへの貢物を選んでいると隣から声をかけられた。
「済みません、駅へ行きたいのですが…道がわからなくて」
『駅ですか?ここから近い駅だと、ここを真っ直ぐ行って三つ目角を左に曲がって暫く歩くと着きますよ』
「案外近い所まで来てたんですね!有難うございます。…良い歌ですね」
『そうですか?名前も知らないんですけど、覚えてて』
「そうなんですか…道、教えていただき有難うございました‼其れじゃぁまた‼」
『また?』
笑顔のままその場を去った男性がどうも頭から離れなかった。
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美影(プロフ) - すごく面白いです!言動が漫画、アニメその物で凄く引き込まれます!これからも更新頑張って下さい! (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7e8f63469d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年12月11日 11時