第三十八話 ページ41
「全く…ここ数年で最低の一日だよ」
「何で俺がこんな奴と…」
『人を間に挟んで愚痴愚痴云わないで下さい。鬱陶しい』
「「此奴の隣を歩きたくない」」
『はぁ…』
前言撤回。楽しいのは数分だけで、後は楽しくなんて全くない。
いちいち私を間に挟んで会話をするから鬱陶しいし面倒くさい。
中也さんを先頭に監 禁施設内に入り、久作を探す。その間も太宰さんは中也さんを苛つかせるのを止めないし、其れにいちいち反応して中也さんは攻撃を止めない。
というか、太宰さんが居なくなったあの日の車の爆弾矢っ張りこの人だったんだ。私も巻き込まれかけたというのに‼
二人の云い合いが止まる事もなく久作が見つかった。
『久作‼』
「待ち給えAちゃん。木の根を切り落とさないと。中也 短刀貸して」
「あ?あぁ…ん?確か此処に…」
「あ さっき念の為掏っておいたんだった」
「手前…」
『太宰さん、巫山戯てないでさっさとしてください』
「怖いなぁ」
そう云いながら久作の首元に短刀を持っていく。
『ちょっと太宰さん‼何してるんですか‼』
「…中也は止めないの?」
「首領には行きて連れ帰れと命令されてる。だがこの距離じゃ手前のほうが早え それにその餓鬼を見てると詛いでしんだ部下達の死体袋が目の前をちらつきやがる。やれよ」
「そうかい…じゃ 遠慮なく」
『駄目‼…へ』
「ふん…甘え奴だ」
太宰さんは久作を切らなかった。よく考えれば太宰さんの云う事が最もだけど…。マフィアにいた頃のこの人なら…刺してても可笑しく無かった。
『久作!』
「…おねえ…ちゃん…?」
『うん』
「…おね…え、ちゃん…あそぼ…」
『…今はゆっくり休まないと駄目だよ』
私の言葉を聞いた後、久作は意識を手放した。
『中也さん、もっと丁寧に運んでください。というか私に渡してください』
「マフィア拠点に運ぶんだから俺で良いだろうが おい太宰、人形寄越せ」
「駄ー目。万一に備えて私が預からせて貰うよ」
「あぁ糞 昔から手前は俺の指示を露程も聞きゃしねぇ この包帯の付属品が」
「何だって?中也みたいな帽子置き場に云われたくないね」
「この貧弱野郎!」
「ちびっこマフィア」
「社会不適合者!」
「その程度の悪口じゃそよ風にしか感じないねぇ」
『久作が起きるじゃないですか包帯無駄遣い装置。中也さんを煽るのやめてください、貴方が泣かした女性に住所ばら撒きますよ』
「其れは止めてくれないかい?」
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美影(プロフ) - すごく面白いです!言動が漫画、アニメその物で凄く引き込まれます!これからも更新頑張って下さい! (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7e8f63469d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年12月11日 11時