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あれから一週間。
私はいまだに先輩に本当のことを言えないままお付き合いを続けてる。


『ねえA。今日も昨日と同じくらいの帰り?』
『教授に捕まらなければあの時間です』
『じゃあ一緒に帰ろうよ。今日バイト休みだし』
『…はい、分かりました』
『ここで待ち合わせね。捕まったら電話頂戴、迎えに行くから。先帰ったらダメだよ』


カフェテリアで偶然会った時、別れ際にした約束。
その日だけだなんて思ったけど、その日以降も自然と一緒に帰ることになった。
バイトのある日は駅前まで。ない日は電車でユン先輩の最寄り駅まで一緒に揺られて帰る。

ユン先輩と帰ることになってから、教授には申し訳ないけど、呼び止められる前に帰る事にした。でもその分、お昼を食べ逃す事が増えもした。


今日もユン先輩と待ち合わせるのだけど、講義が長引いた。
途中で抜けるわけもいかず、講義を終えてすぐに机に広げてたノート達をトートバッグの中に押し込んで、一緒に受けていた友達に挨拶をして講堂を小走りで出て行く。
いつも通りなら先輩はとっくに着いてる。
待たせるのが申し訳なくて人の間を駆け抜けて正門に向かう。


「ユン先輩!」
「お疲れ様ー、って走ってきたの?」


思ってた通りユン先輩は既に待ってた。
名前を呼べば、集中して見てたスマホから顔を上げて手を振ってる。
先輩の前で立ち止まって、謝ろうとするけど、言葉が出てこない。


「すみませ、っ…ひいっ、こうぎ、なが…っ…!」
「落ち着いてから話して平気だよ」


運動不足の体には、久々の全力疾走は酷で、心臓と肺が音を上げてしまってまともに話せない。
ギリギリと痛む脇腹を抑えながら、頭を下げれば、ユン先輩は怒りもせず、笑って、風のせいでボサボサになった髪を治してくれた。




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和泉(プロフ) - avrillさん» はじめまして!コメント有難う御座います!ちょっと前作に出してた時とは違うジョンハンさんなので不安でしたが、そう言ってもらえると嬉しいです〜!更新時間がまばらですが、最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります! (2022年3月28日 20時) (レス) id: 8dc69dfd49 (このIDを非表示/違反報告)
avrill(プロフ) - はじめまして。このお話とっても行動も言動も可愛くて好きです!更新楽しみにしてます。 (2022年3月28日 18時) (レス) @page9 id: dd6824d8fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:和泉 | 作成日時:2022年3月24日 1時

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