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ユン先輩のいい所を見ずに別れてしまったなんて。
その人が先輩に何を望んでたのかなんて知らないけど、それしきの事で冷めてしまうものなのだろうか。
もしくは、ユン先輩の気持ちが冷めたから、冷たくしてたんだろうか。
答えのない考えが頭を巡る。


「先輩から見て、どっちが本当だと思います?」
「…うーん。難しいな。友達同士で居る時は可愛い奴だけど、実際彼女に冷たかったの見ちゃってるし…友達と恋人で差があるのは当然だと思うしさ」
「あ…やっぱり今のは無しで。すみません…」


眉を寄せて困り顔をする先輩に申し訳なくなって、質問を取り消して、次の話題を探そうと頭を回転させるけど、ホン先輩の「でも」の一言で意識はまたそっちに移ってしまった。


「アイツが後輩とかに「オッパ」って呼ばせるのは君だけじゃないかな」
「そう、なんですか?」
「うん。昔からそう呼ばれるの好きじゃなくて、妹だけがそう呼べば良いって言うくらいだったんだよ」


また一つ。
先輩の知らない部分を知ってしまった。


「Aちゃんに優しかったり愛想良いのは、それだけ好きってことなのかもね。思い出してみれば、あんな風に彼女だなんて紹介されたの初めてだし」
「……ぇ…」
「あははっ 顔真っ赤だよ。ふふ、良いねぇ青春だ」


先輩がまだ何か話してるのに、その声が頭に入ってくる事はない。
ユン先輩が私を好き。その言葉に顔が熱くなっていく一方で肺の奥が冷たくなっていくような感覚を覚えた。
全身の血が沸騰してるのか冷めていくのかよくわからないことになってきた。


私は目の前の人を好きでありながら、その隣にいた人と付き合ってる。人の気持ちを弄んでるようなもんだ。
もしそれが本当だとすれば、いや本当じゃないとしても。
私は酷い事をしてる。どこかで、すぐに飽きられると踏んでたけど、そんなの言い訳にすぎない。



「ジスはなんでAと二人で居んの」



この数日間、毎日聞いた声が頭に入ってきて我に返る。
意識がどこか飛んだ私に手を振って戻そうとしてくれたホン先輩じゃない。
声の聞こえた隣を見れば、怒った顔のユン先輩が立ってた。





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和泉(プロフ) - avrillさん» はじめまして!コメント有難う御座います!ちょっと前作に出してた時とは違うジョンハンさんなので不安でしたが、そう言ってもらえると嬉しいです〜!更新時間がまばらですが、最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります! (2022年3月28日 20時) (レス) id: 8dc69dfd49 (このIDを非表示/違反報告)
avrill(プロフ) - はじめまして。このお話とっても行動も言動も可愛くて好きです!更新楽しみにしてます。 (2022年3月28日 18時) (レス) @page9 id: dd6824d8fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:和泉 | 作成日時:2022年3月24日 1時

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