十六夜奇病病棟【小説】

いつもと違う朝【崎原紫雨】 ページ9

「ん、ぁ……」



窓から差し込む光で目が覚める。

だるい体をそっと起こし、窓の外を眺める。



「……？」



視界に入ったカレンダーを見ると丸がついている。

ああそういえば、今日はとある病院(十六夜奇病病棟)へ入院する日だ。

まぁだからと言って特別違う事をする訳でもなく、

いつも通り着替えをし、朝食を済ませる。

ただいつもと比べ簡単なものだけになるのだが。



「しばらくこの家とはお別れかな？」



そう小声で呟き外へ出る。

合鍵は兄に預けておいたから大丈夫であろう。

通りがかったタクシーに乗り、目的地(十六夜奇病病棟)に向かった。





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