第59幕 お誘い ページ14
オレはその後、言霊を使って部屋を元に戻した。
毎回思うが、こう言う時、言霊はかなり便利だと思う。
目は瞑らせておいたが、耳には声が聞こえてしまっただろう。
かなり大きな叫び声だったからな。
聞こえていないはずがねぇ。
凛:「珱。もう大丈夫だ。落ち着け」
珱:「…は、はい……っ」
やはりそう簡単に忘れることなど出来るはずもなく、カタカタと小さく身を震わせていた。
…ま、原因は全部オレ、なんだけどな。
お姫様に見せるもんじゃねーよな。アレは。
そう思いながら、オレは出来るだけ優しく珱の頭を撫でた。
先程の記憶を消す様に。
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怖がっている珱を屋敷の奴らに任せる、なんて事はオレには出来なく、珱が落ち着くまで傍にいた。
その結果、外は真っ暗。
妖怪もうじゃうじゃ居るだろう。
泊まっていってと言われたが、却下した。
あそこに居たらリラックス出来ないからだ。
今日は疲れた…。
帰ったら寝よ…。絶対秀元に邪魔はさせねぇ。
欠伸しながら、暗い夜道を歩いているときだった。
凛:「…何の用だ、ぬらりひょん」
ぬら:「何じゃ。気付いておったか」
そう言いながら影から出てきたぬらさん。
気付いたのは先程だが、結構前から付いてきていた様だ。
さっさと帰って寝たいんだけど。
言霊使ったせいか、マジで眠い。
凛:「何度も言うけど、あんたの組には入る気ない…」
ぬら:「凛」
凛:「!」
ぬら:「昼は人間、夜は妖怪として暮らしているとはのう」
凛:「…どうやって調べた」
ぬら:「うちの者に任せりゃ一発じゃわい。今回はちと手間取ったらしいがの」
…鴉天狗、だな。それか偶然会った雪羅さんか。
どっちにしろ、バレちまったもんは仕方ない…か。
今後が色々面倒だけどな。
凛:「それで?あんたはオレにどうして欲しいんだ?もう一度言っとくけど、組には入る気ないから。絶対に」
ぬら:「それはこれから口説いて行くから問題ないわい。今日はあんたの事をもっと知るために、宴会をするんじゃ。だから迎えに来た」
凛:「はあ?誰がい…」
ぬら:「珱姫も居るぞ?人間一人じゃ寂しいじゃろうな〜」
こいつ…ッ!!
オレが行かないの分かってて珱を拐って来やがったのか!!
そのニヤニヤしてる顔が気に食わねぇ…!
結果的にオレは頷くしかなかった。
ぬらりひょん…。いつか絶対に殴る!!
そう一人誓った。
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桜(プロフ) - 続きめっちゃ気になります! (10月3日 23時) (レス) @page25 id: 1fc4502f62 (このIDを非表示/違反報告)
チカ - 続きが気になりマックス (2018年6月27日 22時) (レス) id: 7c63f912f8 (このIDを非表示/違反報告)
アニメラブ(プロフ) - 面白い!!続きが待ちきれない (2017年12月22日 22時) (レス) id: 9491c8ca0e (このIDを非表示/違反報告)
春歌 - 続きがすごく楽しみです♪ (2017年11月25日 12時) (レス) id: b5a85efb84 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア - 皆様〉応援ありがとうございます!今更ですが、頑張ります! (2017年8月29日 15時) (レス) id: 1d3fa82ba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2015年2月23日 15時