解けないその糸は【文豪ストレイドッグス】

２７ 戸惑い (内容変えました) ページ28

貴方ｓｉｄｅ



乱「...ほら、パソコン壊れたんでしょ。与謝野さんと買いに行ったから機能としては多分間違いないよ。この僕がわざわざ選びに行ったんだから有り難く貰いなよね！」

「はぁ...。」







渡されたパソコンは確かに最新のもので、いずれは欲しいと思っていたものだ。

まさか乱歩が買うとは思ってなくて、予想外過ぎて曖昧な反応しか出来ない。





太「えぇっ！？乱歩さんが買っちゃったの？これからそれを口実にAとお出掛け出来ると思ったのにぃ〜。」

国「お前は昨日の報告書を書け！」



国木田に首根っこを掴まれてずるずる引き摺られる太宰を横に、私は貰ったパソコンを上機嫌に使わせてもらう。






敦「わぁ、流石は慣れていますね。」

「まぁ、物心ついた時からずっとパソコンを手放した事は無かったしねー。手馴しに中島の事でも調べてあげようか？」

敦「僕の経歴なんて両親に捨てられて孤児院に入り、そこで色々あった...って位じゃないですか？」

「んー...例えば、中島の両親の顔や生年月日、今何処にいるか、将又(はたまた)もう死んでいるのか...。少し時間はかかるけど、特定する事はできるだろうね。」

敦「へぇ...。あ、でも僕結構です。いいものじゃないですしね。」

「そうなんだよ〜。そこで悪趣味じゃなければ私も今こうやって彼処にいるクソ太宰に嫌がらせされる事も無かったのにさぁ...。」



はぁ、と行き場のない溜息をつく。

全身に巻かれている包帯や、そこから感じる痛みも無く、いやもしかすればもう生涯を終えていたかもしれない。







「...自 殺方法でも探そうかな。」

敦「隣で物騒な事言わないでください。そんな事するなら没収ですよ。」



あっ、といとも簡単に奪い取られたパソコンは立てない私には困難な場所に置かれた。







敦「全く...。太宰さんにしても、Aさんにしても。自 殺だなんてあまり言わないでくださいよ。」

「えぇー？素晴らしいものだと思うけどなぁ...。」

敦「...最近思いますけど、Aさんと太宰さんは気が合いますよね。実はそんなに嫌ってないんじゃないですか？」

「...。」



嫌い、とすぐには言えなかった。

心底死ねばいいとも思ってるし、死んでくれたら間違いなく喜ぶだろう。

...ただ、太宰との関係は私にとって歪過ぎるのだ。








「...分からないや。」


曖昧な言い方でしか返す事が出来なかった。

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