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講義は始まった。
今回はとあるテーマに基づいてレポートにまとめる講義だった。
いつもと違って話し声がチラホラ聞こえてくるが、俺の耳にとってそれは雑音にすぎなかった。
教科書をめくる音、
頬杖を付いて考える姿勢、
髪を左耳にかける仕草…
光ちゃんの全てが気になって仕方がない。
『ひとつ、聞いてもいい？』
伊沢「えっ、」
『ここの値はどう求めるの？』
伊沢「あっ、うん」
距離がまた少し近づく。
落ち着け、平常心だ、平常心。
伊沢「あ〜ここはね、こうするといいんだよ」
『…あ！本当だ！出来た！』
「出来た！」って満面の笑みを見てしまえば、もう二度と忘れられない。
光ちゃんの笑顔は勉強と違って、
頭じゃなくて心に残る。
『頭良いんだね』
伊沢「いやー、ありがと」
ぎこちないかもしれないが、何とかやんわりと笑って
今までちゃんと勉強してきた自分を褒めてやる。
この流れで言えるかな…
伊沢「…助けてくれたんだよね？
ありがとう」
俺の問題発言はなかったことにして、先ほど言えなかった「ありがとう」を伝えた。
しかし、一度言ってしまった言葉をなかったことにするのは無理なようだった。
『ねぇ、』
伊沢「ん？」
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すこしだけあったかくなった二人の雰囲気に
ぎこちない沈黙が流れる。
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『伊沢くん寝ぼけて私のこと好きだなんて、おかしな冗談言ってたんだよ？』
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「ふふっ」って小さく笑う光ちゃんの瞳は、心から笑ってなんていなかった。
黒い綺麗な瞳が悲しそうに揺れていた。
こんなにも苦しそうな好きな人を見てもなお、この胸の内を明かさない男なんていない。
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伊沢「冗談なんかじゃないよ」
『…え？』
伊沢「本当だよ」
増してきたザワついた周りの声、教室の中で光ちゃんの声しか入ってこない。
『…ほ、んとに？』
驚いて目を大きくさせた光ちゃんは
すごく、ものすごく嬉しそうな表情をしていた。
『あのっ、わ、私も伊沢くんのことっ…
伊沢「だけど、」
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また、好きな人の言葉を乱暴に退かしてしまう。
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伊沢「これからはもう、仲良くはできないかな｣
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遠回しに「距離を置く」ってこと、
最終的に辿り着いた答えはそれだった。
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秋 - やばい...見ているだけで恥ずかしくなって途中までしか読めねぇ.../// (2019年7月14日 23時) (
レス) id: 59af18dca1 (このIDを非表示/違反報告)
しょーやま。(プロフ) - ぷよーこさん» コメントありがとうございます!!今回水上くんが少し濃いキャラだったので、鶴崎くんをそれに負けないように頑張って書いたので、そう言っていただけて本当に嬉しいです！(°▽°)♪最後までありがとうございました！ (2018年6月24日 1時) (レス) id: 3123dec0a8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ - 鶴崎くんが最初から可愛い(≧▽≦)もちろん伊沢さんと水上くんも好きですが、鶴崎くん推しなので、鶴崎くんを可愛く書いてくれて嬉しいです(*^^*) (2018年6月19日 19時) (レス) id: a949fdbfd3 (このIDを非表示/違反報告)
しょーやま。(プロフ) - カルミア・ラティフォリアさん» あ…間違えました(笑)次回の更新の時に編集いたします、ご指摘とお褒めの言葉をありがとうございます!!頑張ります！ (2018年2月18日 20時) (レス) id: 3123dec0a8 (このIDを非表示/違反報告)
カルミア・ラティフォリア(プロフ) - え、伊沢さん留年とかしたん！？５話目で19歳ってなってんけど、伊沢さん誕生日05/16だからまだ18じゃないの？面白いからガンバレ！ (2018年2月18日 10時) (レス) id: 0dbf5b66f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しょーやま。 | 作成日時：2017年12月30日 15時
