ユーリ!!!onICE ヴィクトルと約束を

28話‐電話‐ ページ31

とりあえず和解?することができたようだ

　俺はヴィクトルが泣き止むまで優しく語りかけた

晴「…泣き止んだ?」

ヴ「ごめん、泣いてしまって…もう27なのに」

晴「昔から俺の前ではすぐ泣くからなぁ」

ヴ「今はそんなことないよ!俺だってもう大人だからね」

晴「はいはい」

　いつもの調子に戻ってくれて良かった

ヴ「でもなんで俺のことずっと避けてたの?…晴の声聞けなくて寂しかったんだよ?」

晴「避ける?」

　ずっと?

晴「ヴィクトル、俺避けてたつもりないけど?」

　そもそも日本にいないからヴィクトルを避けることできないし

ヴ「避けてたよ!メッセージ送っても既読つかないし、電話も出てくれないし…」

　あー…それか

晴「……ヴィクトル」

ヴ「…何?」

晴「避けてた訳じゃなくて、そのスマホ…壊したんだ
　 だからメッセージ来てることも確認できないし、電話も出れなかったんだ…けど」

ヴ「…え?」

　ヴィクトルの間抜けな声が聞こえる

　まぁ、これは俺が悪い…よね

ヴ「え、じゃあ俺が日本に行こうっていった時、1人でどこにでも行けばって言ったのは?
　 あれは俺の近くに居たくないからそう言ったの?」

晴「…あれは、俺がムキになってただけ
　 あの言葉は本心じゃないから」

ヴ「っ…良かった」

　と安堵する声が聞こえる

晴「寂しい思いさせてごめんね、ヴィーチャ」

ヴ「…本当だよ、GPFと世界選手権5連覇を果たすよりもキツかったんだからね?」

晴「それユーリとか勇利に言うなよ…キレられるから」

ヴ「え?どうして?」

晴「何でもない」

ヴ「それよりも晴は勇利と知り合い?以前もやけに親しそうだったけど」

晴「んー、まぁね」

　時計を見ると6時を回っている

　もうすぐ夕飯の時間だ

　いつも俺は少し早めに夕食を持ってきてもらっていた

　理由はないけど

　そろそろ看護師さんが夕食を持って来るから…と言おうとして止める

　多分ヴィクトルは俺が事故にあった事知らないよな

　事故の件は報道されてない

　理由は前事故に遭った時が関係しているんだけど

　簡単に言ったら…前に事故に遭った事が知られてファンからの贈り物が凄かった

　あの時は流石に申し訳ないなぁって思うくらい高価なものも来たからなぁ

　それに贈り物が多すぎて搬送会社をパニックに陥らせたって聞いた

　事故に遭った身としてはあまり周囲に迷惑はかけたくない

　そういう俺の気持ちを汲んでか、ヤコフが報道陣に手を打ってくれてたようだ

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