24話‐涙‐ ページ27
晴「……ん」
ユ「…ッ!!晴!?」
目を覚ますとユーリの心配そうな顔が見える
晴「ユーリ?…俺」
ユ「こんっのバカ!!おまえトラックに撥ねられたんだぞ!?
知らねぇ女庇って自分が盾になるとかバカじゃねぇの!!
もっと自分のことを大事にしろよ!!どんだけ心配したと思って…ッ」
ユーリが大粒の涙を流す
…あぁ、俺はまた事故に遭ったのか
晴「ユーラチカ、ごめん」
子供のように泣きじゃくるユーリを抱き寄せる
その後ろにはヤコフが立っていた
ヤ「俺が言いたいことは全部ユーリが言ってしまったから何も言わん」
晴「…ヤコ―」
ヤ「ただな、おまえが怪我して心配する人がいるってことを忘れるな
…いいな?」
…ヤコフにそう言われて俺は頷くことしかできなかった
あの時は女性を死なせてはいけないって事しか考えていなかったから
あんな行動に出たけど、今思えば危険な行動だったと思う
下手したらヤコフにもユーリにも一生会えなかったかもしれない
それを自覚してから自分のした事がどれだけ恐ろしいことだったのかを実感した
ユ「…ッ……晴?」
泣きじゃくるユーリの顔はロシアの妖精という異名を持つにしては酷い有様だ
ユ「何…泣いて…ッ」
ユーリに言われて自分が泣いていることに気づいた
久しぶりに涙を流した気がする
晴「…ッ」
泣いてることに気付いた途端に死への恐怖が俺の中を占めた
ヴィクトルに会えなかったかもしれない
もう二度とヴィーチャと名前を呼べなかったかもしれない
ヤ「全く、お前たちはいつまで泣いておる
いい加減泣き止め」
ヤコフは呆れたように言っていたけど未だに2人して泣く俺達の頭を優しく撫でてくれた
その優しさに俺とユーリは更に涙を流した
ミラとギオルギーが入ってきた瞬間に唖然としていたのは言うまでもなかった
致命傷になるような大きい怪我はなかったけど
左足首と左足の膝はトラックのタイヤと接触したらしく
しばらく様子を見ることになった
何故ここまで軽傷で済んだのか
どうやらトラックの運転手が逸早く俺と女性が居ることに気づき
ブレーキを踏みつつ右にハンドルを切るという賢明な判断のおかげで
ぶつかる時にはスピードもかなり落ちて、正面衝突も避けることができた
ただ、トラックの本体までは完全には避けきれず背中と接触
反動で体勢が崩れて地面に倒れ、後輪に左足が接触した…らしい
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れのま(プロフ) - 柚さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございませんm(_ _)mこの作品は名前固定となっているので変換機能は付けておりません (2017年8月2日 22時) (
レス) id: d4b51bbccd (このIDを非表示/違反報告)
柚 - 名前の変換ができないのですがどうしたら良いのでしょうか、？（ ; ; ）是非読みたいのです教えて頂きたいです。 (2017年7月9日 2時) (レス) id: a8b78700e7 (このIDを非表示/違反報告)
れのま(プロフ) - コウさん» コウさんありがとうございます。今になって気づきました、訂正しておきます。 (2017年3月9日 17時) (レス) id: d4b51bbccd (このIDを非表示/違反報告)
コウ(プロフ) - こんにちは、コウと言います。こんな事指摘するのもあれなんですが、最初の二つエピローグとなっていますが終わる時がエピローグで始まりはプロローグだと思います。失礼しました。 (2017年3月7日 10時) (レス) id: 41dfced98c (このIDを非表示/違反報告)
れのま(プロフ) - 白陰さん» 面白いと言って頂けて嬉しいです!!誤字指定ありがとうございます!気づいてませんでした；；これからも更新頑張ります! (2017年1月8日 11時) (レス) id: d4b51bbccd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れのま | 作成日時：2016年12月31日 13時
