ユーリ!!!onICE ヴィクトルと約束を

18話‐喧嘩‐ ページ21

珍しくヴィクトルに声をかけられないと思ったら今日は１日オフらしい

　適当に滑り、リンクから上がり、休憩していると通知が来る

晴「ヴィーチャ?」

　相手はヴィクトルだった

　内容はこの動画を見て。だった

ユ「晴、何見てんだ?」

　ユーリは仕切りに背中を預けて寄っかかってこちらを見ている

晴「んー…ヴィーチャから送られてきた」

　ユーリのもとに歩み寄り、仕切り越しに抱きつきながら2人で動画を眺める


【勝生勇利】ヴィクトルFS滑ってみた【離れずそばにいて】


　タイトルを見て疑問に思った

　何で今更これをアップした?

　それに…太った?

ユ「バカか?あの日本のユーリ」

ヤ「コラーッ!!サボるなー!!」

　ヤコフの説教など聞こえないふりして動画を眺める

　途中でユーリはヤコフに連行されていったけど…

晴「…ん?」

　…これは

　今までとは何か違う、ヴィクトルのコピーだけどヴィクトルとは違う…

　終盤に差し掛かってから確信した

　勇利は色恋沙汰に不慣れな童貞だ

　だからだろうか、仕草からヴィクトルとは違う独特な色気を放ってる

　それに、無音の中で勇利は滑っているのに振り付けのタイミングにズレがない

　俺は勇利の体が奏でるようなスケーティングそのものに惹かれた

　勇利は昔から独特なリズム感もってたからなぁ

　俺がそこに気づくんだから当の本人のルが気づかない訳が無い

　動画全て見終わると同時に電話が掛かってきた

　相手はヴィクトル

晴「もしも―」

ヴ「晴!昨日ぶりだね、やっぱり練習なくてもリンクには行けば良かった
　 晴に会えないのは退屈だし寂しいよ。
　 あぁ、そうだ!晴うちにおいでよ、マッカチンも会いたがってる
　 どうだい?今日来ない?来るよね?」

　突然ヴィクトルのマシンガントークが始まる

晴「ヴィクトル、分かったから…用件は何?」

ヴ「っと、そうだった」

晴「次のシーズンの振り付けのことなら前にも言った通り3つ目のものが一番―」

ヴ「振り付けの話じゃなくて、俺さ、日本に行ってくる」

晴「…は?」

　さっきヴィクトルはなんて言った?

　日本?

　…なんで?

ヴ「さっき手配も済ませたんだ、それでね晴―」

晴「いや、ちょ…待って」

ヴ「なんだい?」

晴「日本に行って何するつもりなんだい?」

ヴ「何って、日本の勇利のコーチをする」

　…呆れたよヴィクトル

　まさかこんな突拍子もない発想に走るなんて…

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