金木犀【treasure】 (ページ15)

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15、ファンページ15

su「ねぇ、Aちゃん」

ごゆっくりどうぞ、
いつものようにそう言って離れようとした時

スアさんに呼び止められた。

「どうしました？」

足を止め尋ねると、スアさんは口元に手を当て、
小声で囁くように言った。

su「もしかしてまたAちゃんのファン？」

そう言うスアさんの視線を辿ると
先程の6人組の男子高校生達がいて、

6人全員がこちらを見ていた。

「、、、、ファンってなんですか違いますよ。」

su「え〜前にもいたじゃん？
　それに今もすっごいこっち見てるし。」

「SNS見てきたって言ってたから、
　SNSに載ってた人だ〜って見てるだけじゃないですか？

　パンケーキ食べたくてって言ってたし。」

su「え〜そうかな〜」

「そうですよ。」

su「ま、そういうことにしておこう。
　あ、忙しいのに引き止めてごめん。」

「あ、いえいえ、
　ごゆっくりどうぞ！」

顔の前で手を合わせて謝るスアさんにそう言って
ドリンクの準備に戻ろうと歩き出す。

カランコロンッ

「こんにちは〜、、、あっ、、」

ドアのベルが鳴る音がすると
反射的に「こんにちは」と声が出る。

この時間にこんなに一気にお客さんが来るなんて珍しいな。
なんて思いながらドアの方を見ると、、

sy「A〜お待たせ〜」

hy「わぁ〜久しぶりに来たな。」

jh「おぉ〜すごい良い感じだ。」

jk「お、エプロンだ。」

ys「、、、わぁ、、。」

見覚えのある6人。

「別にスヨンは待ってないけどね。」

sy「酷いなぁ〜」

まるで自分の店かのように堂々とした態度で入るスヨンに
そう言いながらよしのり君を見ると

キョロキョロとしていて、なんだか珍しいものを見る子供みたい。

パッとこちらを見て目が合うと、
目を逸らしながら、「お疲れ様です。」と言ってくれた。

「んふふ、お待ちしてました。」

私の言葉にはにかむように笑う彼はやっぱり可愛い。

sy「もしかして、今結構注文入ってる？」

「まぁ、うん。」

sy「じゃあ私ら時間あるしそれ終わるまで選びながら待っとくよ。」

「まじ？助かるかも。
　じゃあ先座ってて良いよ。終わったらすぐ行くね。」

ys「すみません忙しい時に、、。」

「いやいや！全然大丈夫だよ。
　来てくれてありがとうね。」

申し訳なさそうに頭を下げるよしのり君に
そう言って急いでドリンク作りに取り掛かった。