金木犀【treasure】 (ページ3)

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3、よろしくページ3

ys『えっと、、あの、、
　俺のこと、覚えてない、、ですよね、、？』

『あー、、、うん。ごめんなさい。
　、、、、わからないです。』

少しの期待を含んだような目をしながら聞いてくる彼に

少し申し訳なさを覚えながら正直に伝えると
ですよね、と少し悲しげに笑った。

『本当、すみません、。』

ys『あっ！いや、、！あの、全然っ！
　気にしんといてください！！！』

『あ、、うん。』

ys『えっと、、それで実は、、』

『はい、、？』

ys『あの、、伝えたいことがあって、、。』

また下を向き俯いてしまった彼の耳はどんどん赤くなっていく。

ヒョンソギが帰ったあたりから
まさかな、、、。とは思っていたけれど、

そういう反応をされると尚更そんな気がしてきて
自然と私も緊張してしまう。

ys『あのっ、、、もしかしたらっ
　迷惑かもしれないんですけどっ、、』

彼が拳をきゅーっと握るのが目に入る。

ys『あのっ、、、
　 Aさんがっ、好きですっ、、

　俺のこと、、
　全然知らないのもわかってるんですけどっ、、

　お試しとかでいいんでっ、、、

　、、、、付き合って、もらえませんかっ、。』

真っ赤な顔。なんかりんごみたいだ。

でも視線は凄くまっすぐで、ものすごく熱い。
彼の熱が伝わってくるようで、なんだか私まで赤くなりそう。

『よしのりくん』

ys『あっ、、はい！！！』

『なんか、りんごみたいだね』

ys『えっ、、、りんご、？

　、、、あっ、、赤い、ですかね、。
　アハ、、すいません。

　、、、いまマジでめっちゃ緊張してて。』

少し笑いながら言った彼は
手で口元を覆うように隠したけれど、その手は少し震えていた。

彼の言い方だと前にも会ったことはあるようだけど、
覚えていない私からするとほぼ初対面の彼。

でも、そんなついさっき会ったばかりの彼が
きっと、物凄く私のことを思ってくれているのだと、

彼の言動で伝わってきた。

『私、君のこと全く知らないんだ。』

ys『っ、、、、はい。』

『知らないから好きになれるかもわからない。
　というかそもそも恋をしたことがないから。』

ys『、、、、、。』

『だから、、、
　君が恋人としたいこととか恋人への理想とか
　叶えてあげられないかもしれないし、

　辛い思いをさせたりもすることもあるかもしれない。

　だから、、
　もしそれでもいいって言うなら、

　

　これからよろしく、よしのり君。』