12、レッスン ページ13
その後、寝泊まりする宿舎に案内された。
といってもここで生活するのは私1人だけだ。
ここでこれからどれほどの時間ひとりで
過ごすことになるのだろうか。
なんてクヨクヨしている暇もない。
死ぬ気でやれと言われたんだ。
やるしかないではないか。
次の日から
韓国語とボーカルのレッスンが始まった。
先生にも韓国語でしか話しかけないでくださいと
お願いしたりしたおかげか
3ヶ月経ったあたりで
日常会話は話せるくらいになった。
我ながらとても頑張ったと思う
会話ができるようになったタイミングで
ダンスのレッスンも始まった。
正直私は歌手になりたいから
ダンスなんてやらなくてもいいんじゃないかと思うのだが
なんでも社長命令らしく、
毎日ボロボロになりながらダンスレッスンをこなしていった。
ダンスをある程度できるようになったタイミングで
ラップのレッスンも始まった。
正直ラップのレッスンは楽しかった。
韓国語は難しいけれど、
ヒップホップというスタイルの音楽は
なんとなく自分にあっている気がした。
そこから順番に英語のレッスン、作詞作曲、
演劇のレッスンと増えていき、
着々と歌手になるための準備を進めた。
毎日毎日、未経験の連続。
私は決して容量がいいわけではないから
ほぼ毎日怒られ、修正し、怒られ、修正の繰り返しだった。
正直身も心もボロボロだった。
常に1人でレッスンを続け、1人の家に帰って
1人でご飯を食べて、1人で寝た。
時々日本の友人から電話がかかってきた時は
「元気?」という一言を聞いただけで涙が溢れた。
ずっと、限界ギリギリの中でやっていたと思う。
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作者名:Ono | 作成日時:2022年8月11日 2時