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颯「なんかちょっとドキドキする」

亜「ドキドキってか、不安だな俺は」

涼「スマホ依存性なだけでしょ、それは」

亜「やかましい」



そんなことを話しながらパーク内に入った彼らは、まずは中央の時計台を見て、支給されたバッグの中に入っていた六色の腕時計の時刻をそれぞれ合わせた。



臣「鬼投入は十分後で制限時間は一時間らしいね。どうする?バラける?」

北「ってか…鬼のビジュアルがわかんないんだけど…ホラーなのとか来たら死ぬ」

健「あー、そりゃ確かにないわ」



どうするどうする、と作戦会議をしていると、臣のバッグが軽く後ろにひかれた。

ん、と思った彼が立ちどまり振り返ると、ウサギのコスプレをした男の子が立っていた。

臣はその場で膝をつき、その子と目線を合わせる。



「迷子?」



その子は首をぶんぶんと力強く横に振ると、パーク内の端にある建物を指差した。
古びた感じの装飾がされた劇場のような大きな建物。



「あの中で逃げ切れたら、すごいご褒美を貰えるらしいよ?」



その案内に一同は顔を見合わせた。「どうする?」と。そして直ぐに答えは決まる。「いっちゃおうぜ!」と。
そんな彼らに男の子はニッコリと笑った。



「いってらっしゃい」



その純真な笑みに、何故か薄ら寒いものを感じたけれど、きっと気のせいだと言及するものはいなかった。

なんの不安もなく、わちゃわちゃと楽しく騒ぎながらその大きな建物へ向かっていく六人の背に手を振ったその子は「がんばってね」と笑った。









"お兄ちゃん達、生きて帰ってこれるかな?"









風に乗って何かが聞こえた気がして、北人が立ち止まった。
けれど。 振り返った場所には、もう誰もいなかった。


その扉の向こう側→←招待状



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(プロフ) - かたはまさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえると凄く嬉しいです…!期待に応えられるように頑張りますね、これからもよろしくお願い致します! (2020年4月21日 1時) (レス) id: 1c76571629 (このIDを非表示/違反報告)
かたはま - すごい面白くて、世界観に引き込まれます!これからも、楽しみにしてます! (2020年4月18日 23時) (レス) id: 9a78e2b3a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年3月3日 15時

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