sweet*and*sour…104 ページ4
“遅くなってごめん！”
“いいよ！全然待ってないし…！”
仁花ちゃんを待たせて申し訳無かった…
「本当にごめんねー…お風呂あがり何か奢らせて。」
「え！？いいよ！気にしないで！」
「私が仁花ちゃんと飲みたいの！お願い！」
「ぅええ…！？いいのに！…ありがとう…」
そうしないと私の気が済まない。
お風呂あがりには一緒に瓶の牛乳でも飲んで
のんびり女子トークにしよう。
コーヒー牛乳とかフルーツ牛乳とか。
古き良き飲み物だ。
お風呂あがりの一杯は格別だよね！
「私大きいお風呂久しぶりで楽しみだったの。」
「私も久しぶりだよ！」
一緒にお風呂へ入るのも親睦が深まっていいかも。
友達とお風呂に入る機会なんてそうないから。
「脱服所も大きいね。」
「そうだね〜。」
とりあえず久々の広いお風呂に興奮しながら服を脱…
「あ。」
「？」
「嘘…タオル忘れた！」
「ええ！？」
必需品のタオルを忘れるなんて嘘でしょ…！？
せめてお風呂に入る前に気付いてよかった…のかな…
「本当にごめんね。取ってくる。」
「待ってるよ？」
「すぐ戻ってくるからいいよ！先入ってて！」
さっきも待たせてしまったし
もう待っててもらう訳にもいかない。
早く取って来て中で合流しよう。
友達とゆっくり湯船でお喋りするのも楽しみだ。
「すぐ取ってくるね！」
「行ってらっしゃい！」
「また後で！」
――――ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ、
急がなきゃ。
早足で暖簾を通り抜けると、
「…へ？」
蛍の姿。
「入るのは流石に駄目だろ…でも無いと困るし…」
眉間に皺を寄せて微妙な顔で唸っていた。
「大体何でタオル忘れるの？馬鹿なの？」
ん…？？
「それを引き受ける僕も馬鹿だったけどさぁ…」
「えっと…あの…蛍？」
「うわッ！？」
「わあッ！？」
！？！？
「ッ驚かさないでよ。」
「そ、それ私の台詞だよ！」
まだ胸が激しく鼓動を刻んでいる。
び、吃驚した…
「お風呂入ってるんじゃないの。」
「いや、タオルが無くて…」
あ。
「もしかしてそれ私のタオル？」
「え？…まあ、頼まれて。」
「助かる〜！ありがとう！」
わざわざ持ってきてくれたのか。
面倒だっただろうに。
きっと私が困ってると思って来てくれたんだよね。
女子風呂の前はさぞ居心地が悪かっただろう。
「仁花ちゃん居るから困ったよね！ごめん！」
「谷地さんだけってこと？何それ。馬鹿？」
「え？」
「君だって女の子でしょ。自覚して。」
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作者名：愛羅
| 作者ホームページ：
作成日時：2014年9月4日 18時
