第六十五回:ベトナム戦争【お話】 ページ29
ベトナム戦争から家に帰る前夜、青年兵士は自宅に電話した。
「明日帰るんだけど、他に行くところがない友達を連れて帰りたいんだ。
家で一緒に住んでもいいかな?」
息子の帰還報告に狂喜した両親は、勿論!と泣きながら答えた。
「でも、一つだけ言っておきたいことがあるんだ。
彼は地雷を踏んでね、腕と足を失ってしまったんだよ。
でも、僕は彼を家に連れて帰りたいんだ。」
その台詞に、両親は押し黙ってしまった。
「数日ならいいけれど、障害者の世話は大変よ。
家にいる間に、そのお友達が住める所を一緒に探しましょう。
あなたにも私たちにも自分達の人生があるのだから、
そのお友達 の世話に一生縛られるなんて無理よ。」
やっとのことで母親がそれだけ言うと、息子は黙って電話を切った。
翌日、警察から電話があり、青年兵士の両親は
彼がビルの屋上から飛び降りて死んだことを知らされた。
死体と対面した両親は絶句し、泣き崩れた。
第六十五回:ベトナム戦争【解説】→←第六十四回:街灯の袂【解説】
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♪・。sana。・♪ - DQNのお母さん優しいのか怖いのかよくわからない・・・ (2014年12月18日 13時) (レス) id: 3c109d3a55 (このIDを非表示/違反報告)
涙花(プロフ) - ゆうくん踏まれてしんじゃった♪って怖いよ!怖いとしか言えないよ! (2014年5月11日 12時) (レス) id: b3976db23e (このIDを非表示/違反報告)
らいあp - えっと、メチャメチャ面白いですが怖くないです!(これは自慢です) (2014年2月2日 18時) (レス) id: 5127ff2650 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - あー怖い。 (2013年10月30日 19時) (レス) id: 00ac137c43 (このIDを非表示/違反報告)
ヒイナ - 怖い・・・・ (2013年10月20日 18時) (レス) id: a812943728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆあ | 作成日時:2013年6月28日 8時