マイクの管理人さんの違法マイク狩り

２７本目 ページ29

「ディビジョン受付はこちらでーす。」



中央区の高い壁の前で、今度のディビジョンバトルのエントリー受付が始まっている。





私はそれを職場の窓から見つめる。





行きたいなぁ…。



ちょっとだけ、ちょっとだけ雰囲気を味わいたい。




受付を見るだけで足元がビートを刻みだす私は重傷だと思う。






窓にべったりと顔をくっつけ外の様子を凝視していると、




『あ！』



目立つピンクの髪そしてその横には青、茶色。


『シブヤディビジョン…。』





よく観察していると紫と黄色と濃い茶色も見つける。


『シンジュクディビジョン…！』



それから白と黒と茶色、なんだかやばい雰囲気を醸し出している。


『ヨコハマディビジョン！』



そして似たような恰好をした兄弟三人組。


『イケブクロディビジョン！！！！』




私は知り合いのディビジョン名を叫ぶとコートを羽織り仕事部屋を飛び出した。



大きめのキャップを深くかぶってまとめ髪を隠す。




無花果さんから外に出るときはかぶれと言われている帽子だ。

一応国家公務員というレッテル、そしてマイクの管理人という職業のせいで変に有名になってしまっている。

そしてなぜか隠れファンというものがいるらしい。
死ぬほど興味ない。

だからかぶれと言われているのだが…




実際には今日使うのが初めてである。




さすがに人が多いからね。







自動ドアを自力でこじ開けるほどの勢いで外に飛び出すと、奇抜な髪の毛を探す。



あいつらを見つけるには色で判断するのが一番早い。





『…いた！』



目線の先には紫色のロングヘアー。

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二郎のキャップ

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