いやよいやよもすきのうち！② (ページ27)

今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:80,418 hit

かぜっぴきページ27

.

”しんどい”

短すぎるメッセージが届いたのは10分程前。
今日はお互いオフやから出掛けよう、なんて話をしていて実は結構楽しみで早起きしてよかった。

すぐいく、とだけ返事を送りダッシュで家を出る。

「んー…どこがどうしんどいんやろ…」

情報が”しんどい”ことしかないから薬を買おうにもどの薬を買ったらいいか全く分からん。

「とりあえずこれの全種類買っとくか…」

いろんな風邪の症状毎に売られてるシリーズもんの薬を買い物かごに入れて飲み物コーナーへ。

「ポカリ…とプリン…ゼリーと…あ、体温計家にないって言ってたなぁ…」

俺風邪引かんから体温計とかいらんねん！！とヘラヘラしながら言うてた大橋を思い出してちょっと笑いそうになる。
早速風邪引いてるやん、って軽くツッコミを呟いて体温計もかごの中に入れる。

会計を済ませ、ダッシュで大橋の家に向かう。

合鍵で鍵を開けて、扉を開けると一気に大橋の香りに包まれて「あ〜大橋の匂い」なんて思って口角が上がってしまう。

「大橋…大丈夫か？」

寝室を覗くと顔を真っ赤にして布団にくるまる大橋の姿が。

和「…ごめんなぁ…」

目をうるうるさせて謝ってくる大橋。
見ただけで高熱があるのは分かる。
買ってきた体温計で熱を測ると39度もあって、そりゃしんどいわって言いながら冷えピタを貼ってあげる。

「どうしんどい？あたまいたい？」

和「んーん…」

「だるい？からだ」

和「うん…」

「どの薬がええんやろ…あ、けど薬の前になんか食べやなあかんなぁ…えーっと…ごはん、あ、食欲はある？？」

和「ふふっ」

買い物袋からいろんな種類の薬を出して箱に書かれた説明書きとにらめっこする俺を見て、笑った大橋。

「なんで笑ってんねん」

和「ふふ、そんないっぱい薬あんのぉ」

「大橋が何が痛いとか言わんからやろ！」

和「うん、ありがとうっ」

熱高いはずやのに嬉しそうににこにこ笑う大橋を見て、ほんまこいつは可愛いなぁ、素直やなぁって思って愛おしくなる。

「とりあえず、薬の前になんか食べやなあかんから…」

ベッドの横に座ってお粥の作り方、で検索をかけて調べていると布団にくるまったままベッドに座って画面を覗き込んでくる大橋。

お粥の作り方も分からんの？って言われたら恥ずかしいから見られたくなくて画面を背けると「なに！？なに見てんの？！」って口を尖らせて怒る大橋に「病人は寝転んどきなさい」って言うて体を押して倒してやる。