いやよいやよもすきのうち！② (ページ11)

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保健室に入ると先生がいらっしゃい、と笑顔で出迎えてくれる。ちょっと職員室行くからね〜と保健室から出ていってしまった。

「…さっきさ、本当の大橋を知ったら俺が離れていくかもしれへんって言ってたやん？」

和「…うん」

「じゃあさ、俺も、これ言ったら絶対大橋が俺となんか関わりたくなくなるやろうな、ってこと言うていい？」

和「えっ？…絶対そんなん思わん！」

「まぁ、じゃあ聞いて。」

これを言ったら全てが終わるかもしれへん、そう思う反面、このくらい俺は大橋が大切な存在なんやって知ってほしいから。
小さく深呼吸して、大橋の目を真っ直ぐ見て。

「俺、大橋のこと好きやねん。初めて会ったときから。会うたびに好きになってった。友達とかじゃなくて、恋愛としてな？」

和「…えっ？！？」

「だから、俺は大橋が何に苦しんでるかも知りたいし受け止めてあげたい。一緒に辛いこと乗り越えていきたいって思う。」

大橋を見ると目には涙が溜まっていた。
唇はこまめに震え、ポロポロと涙が頬を伝う。

和「おれっ、中学のときっ、いじめられてて…っ」

泣きながら話し出した大橋の震える手をぎゅっと握ってやる。

和「俺が男に告白したから…っ！藤原くんと仲良くなったのも、間違いやったんかって…また傷付かなあかんのかなって…」

震える肩をそっと引き寄せ、頭を撫でてやる。
いぬみたいなふわふわな髪の毛に柔軟剤の甘い香り、顔に似合わず意外としっかりとした肩幅、儚くて消えそうな白い肌、全てが愛おしくて堪らない。

和「…藤原くんのこと好きになってしもてんけど…離れていかん…？」

そう上目遣いで尋ねてくるから、

「離す訳ないやろ」

って大橋のぷにぷにほっぺを片方つねって笑ってみる。「いひゃい〜」なんて言いながら目に涙を溜めて笑う大橋をもう絶対に悲しませへんって心に誓った午後6時。

「そろそろ帰る？」
「ん〜、もうちょっと喋りたいなぁ」
「大橋は電車？歩き？」
「歩きぃ〜……じょうくんは？」
「…じょ、？！」
「あ〜照れてるぅ〜」
「うっ、うっさい！！」

fin.

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