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「ん〜？あっ！おかえり〜〜〜」
妙に甘ったるい声。ふっわふわした喋り方に火照った顔。これでもか、っていうほど下がった目尻。
「…お酒呑んでたん？」
「ん〜〜？あかんのぉ？じょうくんものみにいってるも〜ん」
机の上には空き缶が何個も置いてある。
元々お酒が強い方の大橋がここまでふにゃふにゃになるぐらいやから、たぶんこの机の上の空き缶だけじゃないやろ…と視線をゴミ箱に移すとそこにも空き缶が捨てられていた。
「ちょっとこれは呑みすぎちゃう？」
冷たい水をコップに注ぎながらそう言うと
「えぇ？これはぁ〜じょうくんがなんじにかえってくるかなぁって、いまじゅうにじ、やからぁ〜じゅうにほん！ふへへ〜おもしろぉ〜」
と狂気じみた返答。めちゃくちゃわろてるんやけど、ちょっと何がおもろいんかわからん。ほんで、12本もないで多分…と思いながらも水を大橋に渡してやる。
「いらん！！おみずなんか！いらん！のめへん〜こっぷのもちかたしらん〜！」
「いや、ほんま水飲めって！」
「のましてぇ〜へへ」
「ちょっと…」
ソファに座った大橋はコップを机に置こうと屈んだ俺の首に腕を回すと「さみしかったんよ」と消えそうな声で呟いた。
さっきまでヘラヘラしてたのに急に眉を下げて、目をうるうるさせながら。
いや、あかんで、可愛すぎんねん。
さっきからな？我慢しとんねんこっちは！
ふにゃふにゃになった大橋可愛すぎんねん！！！こんなんなんの！？って正直めちゃくちゃ興奮してるわ！
「じょうくんおらな、さみしいんよ…」
そう言いながら俺の胸に頭をぐりぐりと押し付けてくる。なんやこの可愛すぎる生き物。
「ごめんな、ほんまに。ご飯も作ってくれてたやんな？」
「おいしいはんばーぐつくった。きっちんにおいてるからまたあしたたべて？」
上目遣いで言うてくるからほんまにたまらん。
「お腹空いてるし今食べよっかな。」
そう言い、大橋が回した腕をはずそうとすると俺の腕を思い切り引っ張ってきて、気付けば大橋を床ドンしてる形に…いや、大橋の力の強さ半端じゃない…酔ってても関係ないな…
「はんばーぐよりかずやをたべてくださぁい」
なんてにこにこしながら誘ってくるもんだから…この後どうなったかはご想像にお任せします。
「えーーー！！なにそれ可愛すぎ！」
「大吾落ち着いてくれ」
「で？した？その後は？丈くん我慢できひんよな！？」
「はぁ…話さんかったらよかった。」
fin.
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作者名：おまめ | 作成日時：2020年5月10日 15時
