嫌味な先生 2 (和牛:水田さん) (ページ33)

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[放課後]

寄せ書きをかきあっていた生徒も帰り、
教壇で簡単な仕事を終わらせていると……

『直接言えばいいじゃないですか』

その声に顔を向けると、そこには

『A……』

A『何でふみに頼んだんですか』

『いや…なんか………緊張して……』

A『何それwww』

『っ………』

久しぶりに向けられた笑顔と
あの日以来の会話。

前と変わっていないそのAの笑顔に
不意にもドキッとしてしまう。

A『…話ってなんですか？？』

『……明日、卒業式やん。』

A『…はい………』

『式終わったらなんか予定ある？』

A『…特には』

『………式がさ、終わったら…
また、この教室来てくれへん？』

A『……分かりました。』

明日の卒業式の後、
この中途半端であやふやな関係が終わる。

『じゃ、明日な。』

A『……え？』

『……ん？』

A『話って…それだけですか…？』

『うん……？』

A『｢明日の放課後残ってて｣
って言うために
｢今日の放課後残ってて｣って言ったんですか？』

水田『…………………

……いや………う〜ん……
だってな……

恥ずかしかってんもん』

A『いい歳した大人が…』

『………うっさいわ…』

そして、何ヶ月かぶりに
2人で目を合わせて笑い合った。

……これや。

Aと笑い合うこの時間が1番好き。