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[亜生サイド]
水田先生にキスしてる所を見られて
下を向き、悲しそうな目をキョロキョロさせ
明らかに様子が変わったA。
……あぁ、やっぱ変わってない。
ーーーーー
[5歳の頃]
｢これえみちゃんの！｣
『ち、ちがうよ…わたしのだよ…
えみちゃんのはそこの青いのだよ…？』
｢いやだ！えみちゃんはピンクがいいの！｣
色違いのおもちゃを取り合う声が聞こえた。
……あれは間違いなく、
最初からAちゃんが遊んでた。
えみちゃんがわがまま言うてるだけや。
そう思いながらも俺は
ただその光景を見つめてるだけやった。
『…で、でも…』
｢いや！えみちゃんピンクがいい！ピンク！｣
『…………分かった……はい…』
とAちゃんは
えみちゃんにおもちゃを渡した。
えみちゃんは｢ありがとう｣も言わんと
やった〜、とその場からいなくなった。
Aちゃんの顔を見ると
下を向いて泣きそうな顔をして
目をキョロキョロさせていた。
その時、俺は子供ながらに
｢なんて良い子なんやろ｣て思った。
そして、あの時のAの顔が
ずっと忘れらへんかった。
………
(約10年後)
今日は高校の入学式。
Aちゃんとは小中共に
違う学校だったこともあり、
俺もAちゃんの事を忘れかけていた。
｢亜生〜何組だった？｣
『1組』
｢え！また一緒！｣
『は〜？また？』
｢何よその反応！
本当は嬉しいくせに！｣
『何でやねん…逆や逆。』
｢えみだって別に嬉しいわけじゃないしー！｣
『知らんわそんなん…』
Aちゃんとは離れたんに
えみとは小中同じ学校で同じクラス。
……何でやねん
ほんまに訳分からん。
友達の名前を探していると
｢あっ！Aあったよ！｣
｢ほんとだ……｣
その聞き覚えのある名前に振り返る。
………間違いない…Aちゃんや………
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作者名：あいき | 作成日時：2019年7月11日 0時
