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『＿＿＿＿＿で、此方は、』
syp「あのっ」
『なんでしょうか？』
ある程度屋敷内を案内をしたところで、ずっと黙って説明を聞いていたショッピ少年は意を決したように口を開いた。
一体何事だろうと説明を止めて彼の方を振り返る。
syp「お、俺のこと、気持ち悪いって言わないんですか？」
『…はい？』
何故に初対面の年下相手に暴言吐かなきゃいけねぇんだよ。
しかも何故ピンポイントに“気持ち悪い”？
『私が、そのような暴言を吐きそうだとでも？』
syp「エ、あ、いえそういうわけやなくてですね。えっと、俺、よくこの目を気持ち悪いって言われてて」
『目？…あぁ、紫。確かに珍しいですね』
そう言われて彼の顔を覗き込めば、紫の瞳が、奥に怯えを潜めて光を反射して輝いていた。
なにせ今の今までちゃんと目を合わせてもらえなかった上、前髪が長いため、見えていなかったのだ。
特段大きな反応をしなかった私にショッピ少年を唖然とした様子で私を見つめた。
『…まぁ、この世界の人は、赤だとか青だとか、瞳どころか髪までも鮮やかだったりしますし。“紫の瞳”は珍しいですけど、“色鮮やかな瞳”はそこまで珍しくはないですよね』
私の目は黒ですけど、と付け加えれば、成る程、とぽそりと呟かれる。
syp「…そんな風に言われるのは、初めてっす。今迄会う人は、“気持ち悪い”言うて突き放すか“綺麗”言うて無理矢理手に入れようとする人だけだったんで」
『んー…確かに綺麗ですね。でも人間の目ってみんな綺麗じゃありません？』
彼の前髪を少し上げて、ジッと見つめてからそう言うと、キョトンと動きを止めてから、突然私を馬鹿にするかのように笑いやがった。
syp「…ふっ、ふはっ！はっ、あはっ、……ふぅ、うん、確かにそうやな。あんた少し変わっとるんすね」
『…あらあら、随分と舐めた口を聞くようになりましたねぇ』
syp「別にええやん、今日から家族なんすよね？あんたも、俺は弟になるんやし、素で話してええんですよ？」
いい子ぶってんのバレてたか。
はぁ、と溜め息を吐いて、次の場所へと足を進めれば、勿論ショッピもついてきた。
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作者名：豚の角煮 | 作成日時：2021年6月2日 6時
