お昼のやわらかぶり大根定食(後) ページ14
「……よォ」
カララ、と扉の開く音にぴくりと肩が揺れた。この声は、土方くんだ。
「土方くん、こんばんわ」
「…おう。…今日はラフな格好してんだな」
土方くんの言葉に自分の格好を今一度確認する。…そうかなぁ。エプロンを外しただけだけど。
「…新鮮でイイな」
「え？」
「いや、何でもねェ」
ガタ、と椅子を引いて座る土方くんに我慢出来ずに頬が緩む。
「土方くん。今日はぶり大根だから焼酎で乾杯しない？」
いいな、と口角を上げる土方くんに私も笑ってしまう。早く土方くんに食べて貰いたい…！
「召し上がれ」
ことん、とぶり大根の乗ったお皿をテーブルに出す。ドキドキしながら手を
合わせる土方くんを見つめる。
そして箸を口に持っていくと、土方くんは少し驚いた様な顔をする。
「…溶けた」
……美味し、かったのかな…？もごもごとぶりを頬張る土方くんに感想を求めた。
「……どう？」
「…スゲェ旨い。口に入れた瞬間崩れて無くなっちまった」
その言葉にようやくほっと胸を撫で下ろす。実は私の一番苦手な料理がぶり大根なんだ。簡単なんだけどあの失敗がトラウマになっているのか…
「…確かに焼酎が合うな。酒が進む」
「うん、魚ってどんなお酒にも合うけど一番は焼酎だよね。すっごく美味しい」
私もにこにこしながら焼酎を飲んでいると土方くんが遠慮がちに口を開いた。
「…来週あたり店が閉まったあと俺の仕事仲間がここに来てェと言うんだが…空いてるか？」
「来週…？うん、空いてるよ。何人くらい来るの？」
「…二人だ。うるせェかもしれねェが宜しく頼まァ」
少し申し訳無さそうな土方くんにくすくす笑う。珍しいな、土方くんが強気じゃないなんて。
「全然騒がしくていいよ。元気なんだね、仕事仲間さん達」
「ああ。元気過ぎて手に負えねェよ」
困った様に苦笑いを浮かべる土方くんにその仲間さん達が本当に大事なんだと認識する。
その『元気な』仲間さん達に会うのが楽しみになった、夜だった。
三時の苺とレモンタルト(前)→←お昼のやわらかぶり大根定食(前)
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マピト(プロフ) - かめろんぱんさん» 応援ありがとうございます！ (2019年12月7日 13時) (
レス) id: 0072153e49 (このIDを非表示/違反報告)
マピト(プロフ) - オリオンさん» 一番好きと言ってもらえるなんて、、凄く嬉しいです！応援ありがとうございます！ (2019年12月7日 13時) (レス) id: 0072153e49 (このIDを非表示/違反報告)
かめろんぱん - 料理が美味しそうで、作ってみたいです。土方さんとの関係も気になってしまいます。更新待ってます。応援してます。 (2019年9月21日 17時) (レス) id: 13bac77f59 (このIDを非表示/違反報告)
オリオン(プロフ) - 銀魂の小説で一番好きです。更新、いつも楽しみにしています。これからも応援してます！ (2019年6月10日 0時) (レス) id: 0ae5191533 (このIDを非表示/違反報告)
マピト - Miaさん» 粉チーズとスライスのピザ等に乗せるチーズ、両方入れても美味しくなりますよ。粉だけでも十分に美味しいのですが…。是非試してみてください！ (2019年4月11日 23時) (レス) id: 35c7a50c29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マピト | 作成日時：2019年3月14日 16時
