私は師匠と相容れない【HUNTER × HUNTER】

分け合う辛さに幸福を感じる ページ10

「A！すっごくドレス似合ってるね！」
「そう？師匠………の髪の色みたいでなんか嫌なんだけどね！！！」
「赤色が全部あいつの髪色みたいに言うなよ〜。きしょくわりぃ」
「あは、はは」

パーティも終盤。ゼノとは少しの世間話程度はしたが、それ以外にゾルディック家との接触は無かった。

ゴンとキルアと合流し、話をして褒められて、うっかり師匠に選んでもらったと零しそうになってしまう少女。

(キルアとかクラピカは勘がいいから気をつけなきゃ…)

ヒソカの侵入、イルミの企み、シルバの思惑、アルカの存在。この家の現状だけで少女は頭がパンクしそうになっていた。ヒソカがかわいく思える程だ。

何処と無くぎこちない笑顔にゴンとキルアは何かを察する。

「なんか隠し事してる？」
「冷や汗すごいけど？」
「！？」

モロに顔に出た少女にゴンとキルアは苦笑すら浮かべる。強くて、料理上手で、仲間思いの少女の欠点は嘘がつけない事ぐらいだろうか。試験中も何度も見てきたその光景にいい加減慣れがでてきた。

「ぇ、いやえっと、」

口をぱくぱくさせ汗を飛ばす。これ以上踏み込めば確実にボロを出すだろう。

「…なんかあるんだろ？」
「俺たちにも言って欲しいな」
「…うーん…」
「ここじゃ言えない？」
「なら外行こうぜ！いい加減このパーティにも飽きてきたし！」
「え、ちょ、行くなんて言ってな」

問答無用で少女を引っ張るゴンとキルア。

「おい、お前たち何処へ行く？」
「もうお開きにしようぜ！立って食って喋ってじゃつまんねーもん！」
「俺たち外行ってくるね！」

そう言って風のように出ていった3人を見つめ、クラピカは困った様に笑った。

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