ウェデングベルが鳴り響いて_Takanori.I

.21 ページ21

.






「失礼します…」

「えっ、…と？」

「あ、あの…その、」

「い、いつも！父がお世話になってます！」

「父！？」









.







これはほんの5分前の出来事、
ちょうど俺がトイレに行ったタイミングで。






.







「あ！お父さん帰ってきた！久しぶり！！」

「莉津！？…それに、湊人も！？」







そしてこれがさっきの出来事。
楽屋に戻ると莉津と、湊人の姿が。






この時、湊人は大学2年生で莉津は高校2年生。








「いやー、見ないうちに大きくなってて誰かわかんなかったよ、ははは」


「ちっちゃい時はけんじろーって走ってきてたのに
「いつもお世話になってます！」ってかしこまるから
まじで、びびったわ、笑」







聞けば近くまで来たから、寄ったとのこと。







「2人で何してたの？」

「あー、結人くんの誕生日プレゼント買いに来た」





さらっと答えちゃう莉津にもビックリしたけど
兄弟同士でプレゼントあげてたことにもビックリしたなぁ。







「何買ったの？」

「欲しいって言ってたダンスシューズ買ってきた」

「え、見せて見せて！！」

「すご、いいやつじゃん！」







ダンス関連のこととなると
三代目のおじさんたちも食いつく食いつく(笑)








「でも湊人と結人は同じ誕生日でしょ？湊人には買わないの？」






臣さん、よくぞ聞いてくれた！！





それ俺も気になってたんですよねーと話に加わると、
なんでも湊人のプレゼントは
結人と莉津が2人で買いにいくそう。








「お前らほんと仲いいんだな」

「いやあ、そうでもないですけど」








照れくさそうに笑う湊人と、莉津。

親の知らないところで兄弟同士が上手く、
仲良くやってくれてて嬉しかったなぁ。







.








ちなみに全員が成人した今でもプレゼント交換は続けてるそうだ。









.

.22→←.20

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す