ウェデングベルが鳴り響いて_Takanori.I

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「りっちゃん大丈夫かな…」

「大丈夫だよ、りっちゃん意外と本番に強いタイプだし」

「ほんとに？そう思ってるだけじゃない？」

「いや、剛典に似て意外と
負けず嫌いなところもあるし大丈夫だよ」

「俺に似て…」








午前9時。

少し緊張しながら家を出たりっちゃんの連絡を待つ。








「まだかな…そろそろ学校着いてる頃じゃない？」

「もう、さっきから剛典うるさい、笑」








今日はりっちゃんの公立高校の合格発表の日。




翔くんは頭のいい学校に進学する
と聞いた中2の秋から、猛勉強を始めた君は
すっかり勉強の虜になったね。




「翔と同じ高校に行く！」





なんて言って張り切って、たまに教えたり
ただ見守ることしか出来なかったけど
今日までずっと頑張ってきたのを見てた。





今日も翔くんと一緒に合格発表を見に行った、

のはいいもののなかなか連絡がこない。

帰ってこない。







「まだかな…」

「翔くんと喜んでるんじゃない？笑」

「そうかな…だといいけど」






俺は自分のこと以上に心配してた。








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「ただいまぁー」

「お邪魔しまーす」






そんな間延びした声が聞こえたのは
君が家を出てから1時間とちょっと経った頃。





意気揚々と帰ってきた瞬間から少し分かってはいたけど、






「受かってたよ！翔も一緒に！」

「来年からもよろしくお願いします！笑」





「ほんとに！？おめでとう！頑張ったね、莉津！
翔くんもおめでとう、これからも莉津をよろしくね？」

「莉津…おめでとううう、」

「もう、なんでお父さんが泣いてるの！」

「翔くんも、おめでとう…」







頑張ってきたところを見てたから
涙止まんなくなっちゃった。






おじさんになってから涙腺弱いのよ、
なんて笑ってるAと莉津と、それから翔くん。






ほんと合格できてよかった。
努力は報われる、これを君が体現した日だったなぁ。









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