それでも家族なんです__Takanori.I

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「ただいまっ 、遅くなっちゃった」

「おかえり」

「莉津！どこ行ってたんだよ！心配したぞ…」









ご飯を作るためにキッチンにいる私の方へ
手を洗いに来たりっちゃんは半分呆れ気味で。









「別にー、いつものことだよ」

「いつものことなんだって、剛典」









ぶーっと膨れてる剛典。

でも外が暗くなったら危ないじゃん..
って力なく呟いて、それすらも









「今は夏だからまだ明るいから大丈夫だし。

冬になったらもっと早く帰ってきますー」








口だけが達者な莉津に終始やられっぱなし。









「でもー、パパは心配だぞ？」

「別に大丈夫だって、翔といるんだし」

「かっ、翔って誰！？」








お箸やお茶を出し机に並べながら
さらーっと爆弾を投下したりっちゃん。









「あっそういえば、夏祭りね、
翔と一緒に行くことになったから！」

「わかった、じゃあ浴衣着る？」

「うん！着たい着たい！」








初めて出る男の子の名前にぽかーんと
放心状態の剛典を横にどんどん話を進める私たち。









「まず！聞きたいことが山ほどある！」





ご飯を食べながら高らかに宣言したのはもちろん剛典。









「質問は３つでお願い」

「えっ」






そう片手であしらうのはもちろん莉津。









「うーん、じゃあまず…カケルって誰だ？」

「その子は莉津が一緒に公園デビューした子。
ほら、3階の成瀬さん家の…、」

「はっ・・・！」








なるほど、と妙なところで納得したけど
何か思い当たることがあったのかな ( 笑 )









「まあ…幼なじみが仲良いのは分かる」

「じゃああんまり口出さないでよ」

「でもなんか嫌だな、俺」









それ、嫉妬って言うんだよ









そう、危うく出かけた言葉を飲み込んだ。
私もそういうのって分かる気がするから(笑)









私を嫉妬させる人も嫉妬することってあるんだ、
なんてちょっとだけ可愛かったり。








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