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四巻 ページ4

“妖怪”。

人の生気を奪いながら生きている非科学的な生き物。



『…………はい、存じております』



そう言うと彼は「それなら話が早い」とクツクツ笑った。



gr「俺はこの森の主、天狐だ……」

その瞬間、先程まで一つだったはずの尻尾が煙とともに三つに増えた。
彼はその尻尾を満足そうに降っている。


信じられないが、ゆらゆらと揺れている尻尾を見ると否定することが出来ない。



『私の事を食べるんですか?』


かなりキツめに言ったはずの声は少し震えていた。
怖がっていることがバレたくなくて彼を睨む。


私とは裏腹に余裕そうな表情の彼は肩をすくめた。


gr「そんなすぐに食べたりはしないさ。久しぶりの人間だからな。こちらも大変興味深い」



『そうですか。帰りたいので帰らせてください』


食べないことを知って安堵しながら話しかけると、目つきが変わった。



『…………っ』


それは捕食者のような鋭い目つき。
思わず顔が強ばってしまう。


gr「くくっ……帰りたいだと?そんなの許されるわけがないだろう。


お前は貴重な餌だからな」



私の目の前に立ちニコリと笑いかけるが………目が笑っていない。









すると彼は私の前髪をサラリと撫で、現れた額に優しい口付けをした。




『…………なっ!?』



今まで男性と関わりが無かったため、私の頬はすぐに熱くなる。




gr「くくっ………純粋な少女なんだな」


悪戯っ子のようにニヤニヤ笑う彼に少しイラッとする。



gr「今からお前にはここに住んでもらう。食事、部屋もこちらで用意しよう。




あと、これは約束だ。






………他のやつに食われないようにしろよ」



話について行けず頭の中が「?」状態だ。

食われる?どういうことだろう。



gr「………まぁいい。そのうち分かるだろう。






おい、そこで見ている大先生。この少女を案内してやれ」


彼がそう言うと、物陰からもう一人の男性がこちらにやって来た。





??「えー……バレてたんかぁ」




少しだるそうにスーツを着て煙草を吸っている彼とばっちり目があった。




ut「えーっと……どうもー鬱です。Aちゃん?やったっけ。宜しくな」



そう言うと彼はへらりと笑った。

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うどん(プロフ) - 彩音さん» ありがとうございますー!!!頑張って描いたので嬉しいです!最後までお付き合い頂きありがとうございます! (2020年5月28日 1時) (レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても好みのお話でした〜!そして最後当たりのイラストうますぎる・・・・・・ (2020年5月27日 6時) (レス) id: 5d687b4a81 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - 眠猫さん» とても嬉しい限りでございます。最後まで読んでくださりありがとうございました!! (2020年5月23日 16時) (レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
眠猫(プロフ) - 感動しました。少女の死んででも会いに行こうとするのなんてノω・、) ウゥ・・完結おめとうございます! (2020年5月23日 13時) (レス) id: 290d396106 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - ロルくんさん» ありがとうございます!!頑張ります!!!! (2020年5月2日 16時) (レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うどん | 作成日時:2019年10月2日 21時

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