十八巻 ページ18
あれからトントンさんは私に説教を始めた。
「ここは危ないから」とか「女の子が傷をつくったら駄目だ」とか「もっとご飯を食べなさい」など、私の事を心配してくれているのだろうか。
なんだか怒る理由がお母さんみたいで思わずクスリと笑ってしまった。
tn「………なーにが面白いんですかねぇ」
『いたっ』
笑ってしまったところを見たトントンさんはため息をついて私に軽くデコピンをした。
おでこをさすりながらも思わず笑ってしまう。
気難しい人だと思っていたが、案外そうでもないのかも。
『……そうだ、トントンさん』
tn「ん？何？」
私はトントンさんから生えている翼をじっくりと見つめた。
『トントンさんは……なんの妖怪なんですか？』
翼が出てきたのは無意識だったのか、背中を触ってから「うわ、ほんまや」と目を見開いていた。
tn「あー……えーっと俺は、鴉天狗(からすてんぐ)やで」
なるほど。その翼は鴉の翼だったのか。
トントンさんはなんの妖怪なのか分からなかったのですっきりした。
『あのーこんな時に言うのもなんですが……』
私がおずおずと声を出すと、トントンさんは首を傾げる。
『私の部屋の場所教えてくれませんか……？」
私がそう言うとトントンさんはポカーンと口を開けてからニコリと笑った。
tn「ええで。教えるわ」
その後、私はトントンさんと談笑しながら部屋へ戻った。
tn「ほんまグルさんはいつも仕事サボって和菓子バクバク食べてて呆れるわ」
『ふふっそうなんですね。なんだか意外です』
トントンさんはグルッペンさん達のことを怒りながらも顔は楽しそうに輝いていて少し羨ましいなと思った。
tn「なんかゴメンな。一人でベラベラ喋ってしまったわ」
『いえ、大丈夫ですよ！私も楽しかったので』
私が慌ててそう言うとトントンさんは嬉しそうに微笑んだ。
tn「ならよかったわ。ほんじゃ、またお昼に会おうな」
『はい。送ってくれてありがとうございます！』
挨拶をしてから静かに襖を閉めたあと、布団に潜り込んだ。
『き、緊張したぁ……』
流石にあの怖そうなトントンさんと二人で話すのは怖かったが、思っていた以上に何杯も優しくて驚いた。
『お昼までここから出られないのか』
やっぱり部屋が広いといえど、やっぱり退屈してしまう。
窓から見えた桜はいつも以上に綺麗に見えた。
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うどん(プロフ) - 彩音さん» ありがとうございますー！！！頑張って描いたので嬉しいです！最後までお付き合い頂きありがとうございます！ (2020年5月28日 1時) (
レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても好みのお話でした〜！そして最後当たりのイラストうますぎる･･････ (2020年5月27日 6時) (レス) id: 5d687b4a81 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - 眠猫さん» とても嬉しい限りでございます。最後まで読んでくださりありがとうございました！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
眠猫(プロフ) - 感動しました。少女の死んででも会いに行こうとするのなんてﾉω･､） ｳｩ･･完結おめとうございます！ (2020年5月23日 13時) (レス) id: 290d396106 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - ロルくんさん» ありがとうございます！！頑張ります！！！！ (2020年5月2日 16時) (レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うどん | 作成日時：2019年10月2日 21時
