愛言葉と相執【はじめしゃちょーの畑】

repeat-5 ページ38

やふへゐ先生side







一人になった部屋に、いったい何が残っていると言うんだろう。




Aが閉めようとしていたカーテンの窓に目をむける。




夜空。綺麗だな。




こんな綺麗な空ですら、太陽を飲み込んで出来たものなんだ、わかんないな。もう。



なにをわかったつもりになっていたんだろう。




泣いてた。



というか、泣かせたのか。


泣かせたの、初めてじゃないっけ。


感情移入しやすい方だから映画とか見てすぐ泣くのは知ってたけど、俺が泣かせたのは。






仲良さそうに話す二人にどうしようもない焦りと、誰にもぶつけられない嫉妬心を抱いた。




安堵欲しさにこんな時間にわざわざ嘘ついてまで呼んで挙句、傷ついて、傷つけて。





……今度こそ、終わりなのかな…。



力の入らない足を無理矢理動かし、カーテンを閉める。



光がささなくなった部屋は本当に静かで、目を瞑った。







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目が覚めたら全部なかったことになってました。






なんてことはなく、それから二週間。



僅かな期待を持って待っていた土曜日の電話を知らせる音は一週、二週と鳴ることはなかった。




…勿論、こっちからかけようとかも思った。



でもやっぱり、怖くてかけられなかった。



ここで繋がらなければ本当に終わり。そんな気がして。






好きが相反している。







俺は、Aと同じ気持ちでいたいだけなのに









こんなにも空回りしてしまう。









戻れない苦しさはどうも溺れているようだった。

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