愛言葉と相執【はじめしゃちょーの畑】

reach-2 ページ25

するとドタドタと大きな声が聞こえたと思うと、今度こそスマホの持ち主の声が聞こえた。








「もしもし、ごめんA待たせて！もう少し……ぎゃあああああああ！！！だいちくん何持ってんすか！！！！」









ぎゃああああああ！！という複数の叫び声。






一体向こうで何が起こっているというんだ……。






「よーへい？忙しそうだし今日は…」


「い！っや！待って！今どこ！？」








ドタバタと流れてくる音は相も変わらず大きい。







「丁度、この前のお店の近く、だけど」

「はぁ！何言ってんすか！」






一瞬自分に言われたのかと思って驚く。しかし、どうやら向こうの相手に言ったようだ。








「よ、ようへい？」


「ええ〜…あぁ……んん〜？？」






しばらくくぐもって何か話しているのが聞こえたけどそのまま少しの間放置。






なんだこれ、完全においてけぼりなんですけど。





そんな状態になっていることに気づいたのか打って変わって落ち着いた声になったようへいが口を開いた。






「ああ、ごめんA。どこにいるんだっけ…」





「だから、この前のラーメン屋らへん」




「うわビンゴ」





「？何が？」






「じゃあA、今から向かうから待っててもらってもいい？」






「っえ、今から？そっちは大丈夫なの？」






平気。ごめんね待たせて。じゃあ向かいます!






そう言うと通話は切れて、辺りのざわめきだけが耳に入る。









もう7時前だと言うのに西日はまだ地面を十分に照らしていた。

reach-3→←reach-1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す