愛言葉と相執【はじめしゃちょーの畑】

remake-4 ページ20

やふへゐ先生side






「そうだ、コンビニ寄ってもいい？」



「ん、いいよ。すぐそこのでいい？」



「うん、ありがと」


最近は待ち合わせ時間が電話で知らされるようになったので車を走らせることが多くなった。

Aが行きたいというコンビニに着いて、車から出ようとするとAに車で待っててと言われた。




？？なんで？


しばらくして、小ぶりな袋を手にしたAが帰ってきた。




その顔は何か思案顔だった。




「おかえり、何買ったの？」



聞くと、Aは伏せ目がちに、そして控えめな声を発した。





「あ、のね…」






目が合わない。不思議な空気に変な気分になる。





言いにくそうと言うよりも、ためらって戸惑っているようにも思えた。




するとずい、と袋を押し出し、まるで隠すかのように顔の前まで持ってきた





「お酒、買ったの。だから、その……よかったら今からようへいの家で、飲みません、か…？」





カサリと袋の擦れる音がした。






コンビニの光に照らされて見えるAの耳が、赤い。





「あ、別に、変な意味じゃなくて！ただ、私の家の方が近いけど車運転してもらってるからダメだし、それに忙しくなければなんだけど…！」






やっと合った目は泳いでいて、やたら喋るスピードも速い。






ねえ、これって。







「……だめ…？」






ああもう、本当、そういうとこずるい。









そういうしぐさのひとつひとつが。





 



 





 






いつだって愛おしいんだ。





「…いー、よ」

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