秋の日 『初めまして』 スコッチさん�◆ �紫織さまリクエスト＊ ページ45
周りに爆弾があったこと、そして彼が解体している、と言うことを伝え終わり何故か私はあの爆弾の元に再び足を運んだ。
――『何故』か？ なぜ、なぜ。
どうしてだろうか足が自然に動いていた。
公園内を走り回った後だというのに、足が棒のようになっているというのに、また戻ってきてしまう。
彼が爆弾をちゃんと処理できているか気になったから？
――爆発に巻き込まれるかもしれないのに？
彼に……彼のそばにまだ居たかったから？
――任務中なのに？
ぐるぐる思考は回ってるのに、極めて私は冷静だった、と思う。
爆弾があった林の近くに颯爽と私は向かう。
「……このコードを切れば、よし」
かさ、と落ち葉を踏みしめた音に消されてしまうくらいの小さな呟きが耳に届く。
彼の声だ。先程までの鷹揚とした声とは違い、どこか弱弱しく細々しい。
「本当にこれで……いや、松田の技術を信じろ」
プチ、とコードが切れる音。
そして少しうるさいくらいの警告音が鳴ったかと思えば「はあああ」と大げさな溜息。
……なにか、見てはいけないモノを見てしまった気がする。
「……っ、気配？」
彼は振り向いた――つまりこちらを向いた。
ばっちり目があってしまい、鋭い眼に睨まれ硬直してしまう。
「なんだ、君か……。ごめんね、驚かしちゃった？」
私の顔から察したのか、彼は優しく笑って謝った。
途端、心臓を鷲掴みにされたような感覚に冒される。きゅうう、と喉の奥が詰まる。
「あ、いえ、こちらこそ……あの、爆弾」
なんだか恥ずかしくなって、しどろもどろになりながら私は言葉を紡いだ。
彼は工具をしまいながら「大丈夫、爆発の恐れはない」と言う。
生ぬるい風が、紅葉を散らす。
「いやー、でもちょっと焦ったなー。間違ったらドッカーン、だから」
「すごいですね、解体もできるなんて……」
私は機能しなくなった爆弾を運ぶのを手伝いつつ彼を称賛する。
また風が吹く。ざわざわと蠢く木々が怪獣みたいだった。
とても広い公園、なのに、私と彼だけの世界のように感じてしまう。
「……ね、俺の顔になんかついてる？ さっきからじろじろ見てるから」
「え！ あ、すみません……」
……みていたつもりはないんだけど。様子は伺ってたかもしれない。
なんというか、爆弾を解除する前と後で彼が別人のように感じられたからだ。
ってな感じの事を、オブラートに包んで彼に伝える。
「ああ。なるほどね。う〜んほら、任務中は気合が入るから、さ。こっちが素だよ」
秋の日 『初めまして』 スコッチさん�� ＊紫織さまリクエスト＊→←秋の日 『初めまして』 スコッチさん� �紫織さまリクエスト＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アニオタ - やばいやばいやばい！！快斗くんやばい…っ！！！ (2018年6月3日 23時) (
レス) id: e9f436c148 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜の花びらさん» 深夜にレス失礼します。この作品の続編にリクエストを投稿しましたので、お時間のある時にご覧いただければと思います。リクエストありがとうございました。 (2018年1月20日 2時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - ひよこさん» よかったです〜〜！ ぜひぜひ何度でもしてください〜〜！ 私も楽しかったです〜〜！！！ (2017年12月15日 23時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - イヲハさん» ありがとうございます！！すごく面白かったです感動しました！ほんとに私が想像していたスコッチでした（n回目）またリクエストすると思いますがよろしくお願いします！笑そして昨日楽しかったありがとう〜 (2017年12月15日 6時) (レス) id: 7e626f0eed (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - シルビアさん» 深夜にレス失礼します。コメントありがとうございます。修正しようと思っていたのを忘れていました^^; ご指摘ありがとうございます！！ ありがとうございます、頑張ります！！ (2017年12月15日 1時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
