秋の日 『初めまして』 スコッチさん� �紫織さまリクエスト＊ ページ44
「綺麗……」
手を伸ばした先にあるのは少し不気味なくらい赤い、紅葉達だった。
不意に後ろを振り返ると、眩しいくらいの黄色に染まった銀杏並木が目に飛び込む。
暖かい色彩が何故か私の胸の内を抉っていく。
ここは国立昭和記念公園。私は出勤前にはここに立ち寄ることにしていた。
と言っても開門時間は10時なので、中には入らず入口付近だけを楽しんでいる。
――まるで小説の最初の数ページだけを読んで、満足しているよう。
いつもそう思いながら、この公園の四季を楽しみ続けて何回目の秋だろうか。
秋らしい冷たい風が吹いた。風に撫でられで枝が揺れ、葉が散っていく。
私は趣あるそんな情景を見ながら、溜息をついて、署に向かった。
＊ ＊
昭和記念公園に初めてきたのは、任務である。
私は警察学校卒業後、立川警察署警備課公安係に配属された。
どうせ公安の人間になるなら『ゼロ』になりたかったが、お生憎様、私にはその力量は無いと判断されたらしい。
警察官になって大きな初任務は随分突飛なものでこの公園内に爆弾を仕掛けたという予告が届き、爆発物処理班の方々と一緒に市民の避難誘導、爆弾の発見、処理といった二時間ドラマに負けず劣らずの内容であった。
全く、なんでこんなところに爆弾なんか――
「――全く、なんでよりにもよってここに仕掛けるんだろう。この公園の近くには立川警察署、それに立川飛行場だってあるのに」
そうだ。
あの時、『彼』はそう言ったんだった。
私が心の中で思っていたことをあろうことそのまま口に出すかのように喋った彼。
走っているせいか、短い髪が暴れる様にゆらゆら揺れている。
焦っているせいか、目が何かを狩るようにギラリと光っている。
彼は警視庁本部から今回の任務に派遣された公安部の人間だ。
同じ公安なのに、私とは雰囲気やオーラがてんで違う。
怖い、と思う反面、かっこいい、と思ってしまう。
任務中なのに。
確か名前は――
「＊＊さん！ あの木の間！」
私は前方の林を指さした。
丁度あの時も秋だった。極彩色の紅葉に囲まれた中に爆弾はひっそりと身を隠していた。
「あの大きさ……処理班を待ってても手を手遅れになるかもしれない」
「ど、どうするんです？」
「最低限の工具はもっているから、俺が解体する。君は周りにこのことを伝えてくれ」
「了解」
私は踵を返して、彼の言うとおりにした。
的確な判断、はあ、敵わないねえ。なんて思いつつ。
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アニオタ - やばいやばいやばい！！快斗くんやばい…っ！！！ (2018年6月3日 23時) (
レス) id: e9f436c148 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜の花びらさん» 深夜にレス失礼します。この作品の続編にリクエストを投稿しましたので、お時間のある時にご覧いただければと思います。リクエストありがとうございました。 (2018年1月20日 2時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - ひよこさん» よかったです〜〜！ ぜひぜひ何度でもしてください〜〜！ 私も楽しかったです〜〜！！！ (2017年12月15日 23時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - イヲハさん» ありがとうございます！！すごく面白かったです感動しました！ほんとに私が想像していたスコッチでした（n回目）またリクエストすると思いますがよろしくお願いします！笑そして昨日楽しかったありがとう〜 (2017年12月15日 6時) (レス) id: 7e626f0eed (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - シルビアさん» 深夜にレス失礼します。コメントありがとうございます。修正しようと思っていたのを忘れていました^^; ご指摘ありがとうございます！！ ありがとうございます、頑張ります！！ (2017年12月15日 1時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
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