これから僕はあなた方の犬となります ページ2
聞こえてる、と変わらず笑顔の目の前の死刑囚。確かこいつはグルッペンが欲しがっていた人材だった記憶があった。残念ながら仲間となる前の投獄されていた上、死刑判決。しんだ、そう思っていたが…生きていたとは。
血のように赤い髪と瞳。ケラケラと笑う笑みは天使のようにも思えるが、本質は悪魔だ。人を傷つけ、痛めつけたがるサイコパスと言ってもいいだろう。それは比較的常人とかけ離れているが、そんな奴らばかりに囲まれているせいか、恐怖が無い。
ああ、昔なら怖かったかも知れへんけど。
多少なりとも経験が血肉になっているのだろう。天使の皮を被った悪魔は、ヘラヘラと笑いながら言う。
「ねぇねぇ、命を長引かせてくれたお礼に手助けしたろか？こう見えても僕、なぁんでもできるんよ」
柵から手を伸ばしコートを掴む手を振り払えば、笑いながら「あぶないあぶなぁい」なんて言われる。腹立たしいことこの上ないが、有能であることは間違いない。
……相談、やな。
ピアスの形状をした通信機の電源を入れれば、切られて不機嫌そうな我らの総統に魅惑的な一言を投じた。きっと、魅惑的に言わなくても欲しがるだろうけれど。あの人はもう仕方のないと割り切って、ただ問題は目の前のやつだ。首をかかれてはいけない。ううむ、やはり使えるだけ使うべきだろうか。
ちらり、と相談をしなくとも死刑囚を仲間にする、と言った総統に頭を悩ませる書記長の姿が目に浮かぶ。くすりと笑ってしまいそうになるが抑え、近くにあった牢獄の鍵と首輪をもった。
「ほら、出すからこれつけて」
赤い首輪の鎖を持ちつつ、鍵を使って牢の扉を開ける。軽く礼を言いながら出てくる相手はヘラ、と笑った。
「じゃあ出してくれたお礼の分も働かんとですねぇ…実はこの城は何人も王位継承者がおって、そんなかでも1番力のある王子がね？この牢獄近くの隠し部屋におるんですよ」
「……案内しろ」
「わかってますってぇ、こっちこっち」
軽い足取りで、それはウサギの如くぴょんぴょんと跳ねながら進む。長い鎖がじゃら、と引っ張られるがどうにかついていった。
ピタ、と突然止まった相手に声をかけようとするも、指で静かにするようジェスチャーされれば口を閉じる。暖炉の前に立って薪を静かにどかし、不自然に盛られた灰を投げ捨てる。すると現れた１つの隠し扉、こちらをちらりと見てアイコンタクトを取り、金属音を立てて扉を開けた。
……この死刑囚、かなり優秀だと素直に思った。
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右京丸伍長@878(プロフ) - まんちゃお。さん» コメントありがとうございます！首輪をつける趣味？変態紳士ですから…ではなく一時的な保険です。ありそうですけどね、つけられる方が好きなイメージですけど。 (2017年9月25日 17時) (
レス) id: 6f835c08c5 (このIDを非表示/違反報告)
まんちゃお。 - 自分もオスマンさんの小説を書いてますがすごく読みやすく面白いです!オスマンさんに首輪をつける趣味があったとは…(( 更新頑張ってくださいね♪ (2017年9月24日 11時) (レス) id: 796ae87385 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：右京丸伍長(´・ω・｀) | 作成日時：2017年9月8日 23時
