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Fourth. ページ4

9人分ざーっとマシンガンのように説明されてもはや途中から
聞けていたのか不安になるレベルだった。


特に、渡辺くん?は熱量が凄すぎて情報量が他の2倍あったように思ったけど好きになるなと言うので途中から聞き流していた。



わかったのは、彼が元々6人でいたグループに他から3人移って来たこと。
リーダーは黄色のひかるくんと言う人で筋トレ好きのチョコとタピオカマニアだということ。

他の人たちは写真を見せられれば名前と顔が一致するくらいには覚えられた。

満足そうにする後輩に、私も嬉しくなって。

お手洗いに行って解散しようかという話になり私が最初に行くことに。

まあまあ長く通ってる店だったけど個室があるなんて知らなかったなぁなんて思いながら個室から出てくる店員さんを見てたらその暖簾の向こう側にさっき見た顔。

誰だっけ、あの人。あのピンク頭。


そんな事を考えながらトイレまでとぼとぼと歩いていると
肩がぶつかる。

衝撃で思わずよろけてしまい あ、やばっ と思って目を瞑るも来ない衝撃。

ふと目を開けると、腰に手を回され支えられていた。

「 …っとぉ、ごめんなさい、大丈夫?」

目の前にいたのはこれまたさっき見た顔。
あ、思い出したさっきのピンク頭。

『 佐久間大介だ… 』

「 いや、深澤辰哉ですけど… 」

『 あ、いや、知ってます、紫の人。』

「 あ、うん、そうなんだけど。え、じゃあなんで佐久間って言ったの?」

『 いや、暖簾の奥に見えたピンクの人誰だっけなってずっと考えてて、あの、ていうかすみません、ぶつかっちゃって。』

「 あー、そういうこと。ううん、俺こそごめんね。ぶつかったの俺だから。スマホ触ってて。」


体制を起こしてもらった時に後ろから聞こえた声。
ノイズキャンセリングされたみたいにその声だけスッと耳に通って聞こえた声。


「 ふっか、何してんの。」

思わず振り返ってしまう。
隣の彼より明らかに高い身長。ちょっと強面な風貌と雰囲気。

「 あー、ごめん照。女の子にぶつかっちゃって。」

「 携帯触ってっからだろ。大丈夫?」

近寄って来た時に香る煙草のほんのり苦い香りとシトラスとムスクが混ざったような甘酸っぱい香り。

『 …岩本ひかる、?』

「 え、照のことはわかるの!?わら 」

「 うん、岩本照。」

くしゃっと目元を細めて笑う彼の笑顔に私の中で何かが
大きく動く音がした。

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作者名: | 作成日時:2024年3月26日 23時

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