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佐久間 side
生前の康二の人柄が紹介されて、お焼香とお経を終えて葬儀は終了した。
会場には親族と俺らくらい。
多くの人がゾロゾロと帰っていく中で、その人の流れに逆らうかのように康二の棺に近づいてくる人物がいた。
………もしかしたら、一番辛い時期を一緒に乗り越えた人なんじゃないかな、康二にとっては。
「………龍太。」
室「さっくん、久々やな。元気やった？」
「そっちこそ………大丈夫？」
室「いやあ、参ったわ………まさか、こんな形で会うことになるとは思ってなかったわ。」
俺らよりも遥かに長い年月を一緒に過ごしてきた、龍太と康二。
俺らが6人で燻っていた時代があるように、この2人だって関西で随分苦労を共にしてきたことは分かっている。
その終わり方が、こんなにあっけないなんて誰も思わないよな。
室「………実はな、康二が危ないかもしらんって、マネージャーから聞いとったんや。
よりによって千秋楽、舞台の本番中に………あいつタイミング考えや、まじで。」
「俺らも聞いたのライブのリハ中だった笑」
室「康二、ほんまあいつ、タイミング悪すぎやろ？
………そんで本番終わってすぐやで。
東京行く新幹線の切符慌てて買って、出発した途端や。
死んだ、って聞いたのは。」
棺の中で眠る康二を、龍太は愛おしそうに見つめていた。
………やるせない、って、きっとこういう気持ちを言うんだろうな。
2人の関係性を思うと、無性に泣きたくなってしまった。
龍太が帰ったのとちょうど入れ違いで、舘様と翔太が会場に戻ってきた。
来る前よりも随分すっきりした表情を見ると、幼なじみパワーを痛感させられる。
もうほとんど親族しかいないこの場所。
俺らはずっと康二の棺に張り付いて、康二の顔を眺めながら、色んな話をした。
「てかさ、あのときの康二がさぁ、」
深澤「あれはまじ大変だったね笑」
灰になってしまう前に、忘れてしまわないように。
時々泣いたり、笑ったりしながら、康二の思い出話をたくさん語った。
………翌朝には、もう誰ひとり頬は濡れていなかった。
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星野あかり(プロフ) - このお話を読むのは2回目です。今回はまたより入り込める状態で読んで…感動したっていうのはもちろん感動したの一言で表現できない程の気持ちでいっぱいになりました､生きることの意味・誰かを失うということ。色々なことに気づけましたありがとうございました。 (2月9日 13時) (
レス) @page50 id: 743718b8cd (このIDを非表示/違反報告)
翠静 - ヤバい……めっちゃ泣きました。とても感動するいい作品を作って下さりありがとうございます！読んだあとも余韻が残ってもっと色んな作品を読みたいと思いました。 (2022年7月6日 16時) (レス) id: eb151aeb11 (このIDを非表示/違反報告)
∞伊野尾宏太∞(プロフ) - まりもさん» 久しぶりにこちらの作品を見てコメントに気づきました。お返事遅れて申し訳ありません。私の作品も読んでくださってありがとうございます！こんなに素敵な文章を書く方に読んでいただけていたことを誇りに思います。本当にありがとうございます！ (2020年10月12日 22時) (レス) id: 0c06083fbf (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - わらび餅さん» コメントありがとうございます。レスが少し遅れてしまいました………すみません。しっかり考えて作った作品だったので、そう言っていただけて光栄です！この作品に足を運んで下さってありがとうございました！ (2020年10月3日 19時) (レス) id: a0fbd747c8 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - 完結おめでとうございます。こんなにも心を動かされた作品は初めてで、思わずコメントさせて頂きました…！本当に感動しました！ (2020年10月1日 18時) (レス) id: d88059d669 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりも
| 作成日時：2020年9月17日 17時
