Wind Beneath My Wings.《後編》

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目黒 side









向井「………最近、調子悪かったやんか？だからな、みんな病室来ても静かやねん。俺が寝れるように、みんな控えめやねん。」



「それは当たり前でしょ」



向井「でもな？俺って寂しがりやん？だから本当はもっともっと話したかってん。

………ラウはな、俺がしんどくてまともに返事出来んくても、学校でこんなことがあったよ、とかたくさん話しかけてくれんねん。まあ、めめもやな。

俺はそれが嬉しくて、つい無理して喋ってまうねん。

だからむしろ、支えられてんねん。」









康二がそんなことを思ってくれていたなんて、初めて知った。

康二にとって支えになれているということ。

それが何より、嬉しかった。








「………その言葉。『支えになってる』って言葉、ラウールにも言ってあげな。」

向井「ラウールに？」








「ラウール、ずっと気にしてた。康二に何もしてあげられないのは、自分が年下だからだって。

ラウールはもっと頼ってほしいと思ってるし、あいつはあいつなりに色々考えてんだよ。

康二がそうやって言ってあげたら、気持ちが楽になるんじゃないかなって。少なくとも俺は、嬉しかったよ。

役に立ててる、って知れて。」



向井「もう充分、頼ってんねんけどなぁ………」








『メンバー』っていう関係性は、誰もが経験できるものじゃない。

助け合える仲間だし、共に高め合うライバルだし、家族よりも長い時間いて、友達みたいに馬鹿やって。

だから、時々難しいなって思う。

口に出さなきゃ分からないことも、まだまだたくさんあるんだなって。





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