彼氏取り扱い説明書【岩橋玄樹編】

5 ページ23

「これ、あげる！」


玄「え？」







.







小さな紙袋を差し出すと

頭にはてなマークを浮かべる玄樹。






まぁお家でまったりデート中に

いきなりだから吃驚するよね。









玄樹は戸惑いながら紙袋に入ってた

小さな箱を開ける。







.







玄「あ、これ…」







.







箱の中には輝く指輪。






そう、玄樹が欲しがってた指輪。







これが私の精一杯のサプライズ。





喜んでくれるかな…








恐る恐る様子を伺うと

玄樹は浮かない顔で。







.







玄「これ俺のじゃなくて

Aにあげようと思ったやつなんだ…」


「え。」







.







“ごめん”と何回も

申し訳なさそうに謝る玄樹。







.







玄「指のサイズ分かんなかったから

後で買おうと思ってたんだ。」


「あ、そうなんだ…」







.







私、馬鹿だ。




勝手に早とちりして。








…穴があったら入りたい。







.







玄「そんなに落ち込まないでよ。

俺、すっごい嬉しい。」







.







玄樹はニコッと

笑窪を見せて微笑んで。







そんな優しい君に

どんどん惹かれていく。







.







「本当にごめんね。」


玄「キスしてくれたら

許してあげよっかなー。」







.







おねだりしてる姿は

女の子みたいで。




女子力負けてるから

ムカつくけど。






.







「おねだりされなくてもしますー！」






.







でも、そんなところも好きだよ。





私はそっと玄樹にキスをした。







.







.







私だけが知ってる玄樹の秘密。


それはキスに弱いこと。

6→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す