少 し く ら い 強 引 に ｡

＊ 何言ってんだよ ページ5

｢…何言ってんだよ！！｣









俺は…何してんだよ｡









いつの間にか、俺はふっかの襟元を引き寄せ、怒鳴りつけていた｡









けど、ふっかは悲しそうに目を伏せるばかり｡









.









.









＿＿＿ 4時間前









何となく、本当に何となく｡









引っかかった…いや、引っかかりまくった｡









だから、ふっかに電話をかけた｡









別にチャットでも良かったのかもしれないけど、声を聞かないと落ち着かない気がした｡









思っていたよりも早くふっかは電話に出てくれた｡









｢…なあ、飲み行かね｣









何でも良いから、ふっかと会う口実を作りたかった｡









これまた意外なことに、あっさりとふっかは承諾してくれた｡









『…んー、あれでしょ？ …照、俺に聞きたい事あるんでしょ』








電話を切る前、そう言って笑ったふっかは一体どんな顔をしていたんだろう｡









そんな気持ちを抱えながら、近くの居酒屋に2人きり｡








これでも一応現役アイドル、個室を予約してはおいたけど｡









…ふっかとサシで飲むのは何時ぶりだろう｡








デビューする前…違う、6から9になるタイミングだったか…｡









2人で沢山の事を話した事を思い出した｡








『…あのさ、』









感傷に浸っていたのはどうやら俺だけらしく、直ぐにふっかの声で現実に引き戻された｡







『照が言いたいこと、何となく分かるけど｡









…照が、心配するような事じゃないよ』









｢…じゃあ、あのスタッフと何があったんだよ｣









そう言うと、ヘラりと得意の笑い方をかました後｡









『…抱かれた、それだけ』









鈍器で頭が殴られるような感覚がした｡









…いや、殴られた事は無いんだけど。









とにかく、ショック｡









しかも、それを怒りに変えたのは次の一言だった｡









『…別にさあ、俺の事なんてどうでも良いから｡









皆が良ければそれで良いのー』

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