空色ホットライン (ページ5)

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『深澤辰哉です。…まぁ、歳も近いしよろしくね。』

「…お願いします。岩本照です。」

そう言って帽子を脱いでペコリと丁寧にお辞儀する照にぎょっとして、翔太たちから聞いていた印象はすっ飛んだ。

誰だこの子を生意気とか言ったやつ。翔太だ。あいつ嘘ばっかじゃん。

礼儀作法がしっかりしている。ハキハキと喋る。それでいでダンスが上手い。

年齢もあってやっぱり多少の人見知りはしてたけど、みんなから慕われるのも時間の問題だった。

それからしばらくして、同じユニットになった。
そこには佐久間もいて。心強い仲間がいて。俺たちの居場所ができたとこっそりみんなで喜んだ。

アクロバットは海岸公園でみんなで練習して、先輩たちとも絡めるようになって。

苦しい瞬間や高い壁はいくらでもあったジュニア時代。
そんな時も照はいつも堂々としていて、上を向いて、前にだけ進む男だった。

そしてそんな勇敢な男は、時に俺たち５人の腕を引いて次の未来へ導く時だってあった。

どんな時も仲間想いで、夢と希望に溢れている。

『照はさ、眩しいよね。
眩しくて優しい。』

すごく。言いながら口元がニヤけてしまった。

「照はふっかには特別優しいもんねぇ。」

佐久間はテーブルに肘をついて手に顎を置き、どこか遠い目をしていて。

『俺さ、ジュニア時代で舞台に出てた頃、夜なかなか寝付けないときあったんだよね。』

「…え、そなの？」

『まぁ勝手にプレッシャー感じて怖がってただけなんだけど。
緊張してたし興奮してたし。

それまでは割となんとなくで仕事続けてたとこもあったから。』

舞台で大役を任された時。
厳しい稽古とプレッシャーで体重がかなり減った時。

現場ではなんてことない振りしてたけど、家に帰るとまぁなかなか大変だったのだ。

『そんな時の稽古のあと照が、夜眠れてる？て声かけてくれて。
体調管理が甘いことに怒られる！と思ってたら、俺の家来てって。』

「…は？！ふっか襲われたの！？」

目を剥く佐久間にブンブンと首を振る。