空色ホットライン (ページ20)

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「でもよかった、いつになったらくっつくんやって思っててん。」

「どっちもはっきりしなかったもんね。バレバレなのに。」

「そー。ふっかさんとご飯行って酔ったふっかさんを照にぃが迎えに来た時なんか、俺殺されるんちゃうかなってハラハラしたもん(笑)」

「ふっかさんもなんだかんだ言ってずっとニキの方に熱い視線送ってたもんね。」

ありゃりゃ。このふたりに言われるなんて溜まったもんじゃないだろうね、ふたりも。

今頃照の家でよろしくやってるかなぁ。

照は照れずに想い伝えたかな。ふっかは素直になれたかな。

『俺はねぇ。ずーっと見てきたから分かんの。ふたりのこと。』

そう。ほんとに昔から。

他人に譲って自分を犠牲にするふっかと、誰よりも強く逞しくあろうとした照。
似てるようで似てない。でもそれがいいんだよね。

二人のバランスが、このグループを大きくさせたんだよね。

それなのに、いや、それ故なかなか素直になれないふたりに助け舟を出すのはやっぱり佐久間さんしかいないでしょ？

始まりは６人。今は９人。

いつだってそこにいたふたりは、家族以上に長い時間を過ごしてきた。

そもそも結ばれるのだって、もはや奇跡みたいな必然なんだよね。

『！そだ！！帰らないと！』

「ばいばい佐久間くん！また明日！」

見送るふたりに手を振って事務所を飛び出した。

明後日会える恋人に我慢できそうにもないから、一足先に堪能するんだ！

スマホをぎゅっと握り締めて、思わず笑みが零れる。

『ふふ、ナイスアイデアありがと照。これで貸し借りなしね。』

誰に聞かれるでもなく呟いた言葉は宙に舞って、

それから清々しく心地良い５月の追い風に溶け込んだ。

【エピローグ END】