空色ホットライン (ページ16)

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「あの、最近おれ、寝付きが悪くて…。」

『…え、具合でも悪いの？』

「いやいやっ、絶好調なんだけどね、」

「顔赤い…熱でもある？ごめん俺気付かなかった、」

体調の変化。
いつもだったら自分よりも先にお互いが気付くはずのに。

「ち、ちちちがうから…！熱なんかないし、だいじょうぶなんだって！」

『…ならいいけど。』

ふっかの顔と耳の赤さにつられるように自分の体が熱くなってきたことがわかる。

これはおかしい。佐久間が変なこと言いだすからだ。

さっさとこの場を離れよう。そう思った矢先、
目の前のふっかが何やら小声で話しだしたので顔を近づける。

『なに？』

「あの、だからその。」

『ん？』

「………またチャーハン作って頂けたらなぁなんて思いまして。」

とてつもない早口で、耳の先を真っ赤に染めて、ぎゅうっと瞼を閉じて緊張に体を震わせて。

なんだこいつ。控えめに言っても可愛すぎて食べたくなる。
いや、だからそれは俺がおかしい。

「今日夜ひかるん家行ってもいいっ！？」

『あ、え、いいけど…。』

反射的に了承すれば、パッと花が開くように笑った。

「やった！」

不覚にも胸がキュンとして。

じゃあまた後で！と、ピュッと駆け出して消えてくふっか。

ぽつんと取り残された俺はそっと自分の胸に手をやってみる。

『…は？』

熱くなって胸がきゅんとしたと思ったら、あの笑顔見て今度は締め付けられるような感覚で。

原因は分からない。
いや、ほんとは分からないフリなのか。

自分でも分からなくなってきた。

『…まじで、なにこれ。』